工藤氏のチョウ類コレクション 県に寄贈
元内閣法制局長官で、昨年8月に84歳で亡くなった工藤敦夫(くどう・あつお)さんが生前に収集したチョウ類の標本や関連書籍などが県に寄贈されることになり、24日、県庁知事室で贈呈式が行われた。
工藤さんは東京大学を卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。内閣法制局に出向し、平成元年から4年にかけて同局長官を務めた。亡くなった後、遺族が標本類の寄贈先を探しており、仁坂吉伸知事が同じ通産省出身で、チョウ類の収集を通じて親交があったことから、県への寄贈が決定した。
寄贈されたのは、ミドリシジミの仲間などチョウ類標本が3985頭、「世界のアゲハチョウ」など昆虫関連書籍691冊、222の国・地域で発行された昆虫関係切手8030枚、標本棚2台。寄贈品は「工藤コレクション」として、県立自然博物館(海南市)で企画展示が行われる。
贈呈式には、工藤さんの妻・信子さん(80)と長女・晶子さん(49)が出席。信子さんから仁坂知事に目録が手渡された。
信子さんは「本当にありがたく思っています。展示を見て自然に興味を持ってもらえたらうれしい」と話し、晶子さんは「専門家の方にメンテナンスしてもらえてうれしい」と喜びを語った。
仁坂知事は工藤さんとの思い出にふれ「ものすごく貴重な物だと思う。県立自然博物館は昆虫の標本が少ないので、大変ありがたい」と感謝していた。
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