失敗しないコツ伝授 万町でCF講座

 世界で注目され、急速に広がっている資金調達方法を活用した事業成功のコツなどを学ぶセミナー「クラウドファンディング勉強会」がこのほど、和歌山市万町のカフェ「本屋プラグ」(小泉博史ディレクター)で開かれ、30~50代の約10人が参加。飲食を交え、事例を基に意見交換をしながら、クラウドファンディングへの理解を深めた。

 クラウドファンディングは、クリエイターや起業家が、インターネットを利用して企画内容や必要な金額を提示し、広く支援を呼び掛ける方法。出資者は支援した額に応じて返礼品を受けられる場合が多い。

 講師は、広告デザインやクラウドファンディングサポート事業などを手掛ける和歌山市田尻の「AID DESIGN」の渡部直樹代表(42)が務めた。同カフェの店舗改装プロジェクト「和歌山を『帰って来やすい街』に」を渡部さんが支援した際、返礼品として「本屋プラグ一晩貸切権」を得たことがきっかけとなり、今回のセミナーを無償で開いた。

 渡部さんはクラウドファンディングについて、起案者、運営会社、支援者の三者にそれぞれ、資金調達、手数料、額に応じた返礼品を受け取るという利益をもたらす「三方良しの仕組み」であると強調。その一方で、成功率は世界的に見て40%程度であり、失敗する場合も相当数あることを話した。

 失敗例として、予想を上回る支援者を得ることができた事業者が、返礼品の欠品状態を起こし、遅配に対するクレームへの誠実な対応を怠ったことから、社会的信頼を失墜させたケースを紹介。「返礼品は『数量限定』などと明記しておく必要がある」と呼び掛けた。

 渡部さんはさらに、成功のためには「支援者がプロジェクトを『自分ごとにする』ほど共感できるストーリーが必要だ」と力を込め、同カフェのプロジェクトをその好例として紹介した。

 小泉さん(36)は「私が行ったクラウドファンディングの返礼品が勉強会となり、うれしい。支援者が協力者となってくださり、ありがたい」、渡部さんは「和歌山の人は仲が良いので、食事を交えて話しながら学べるセミナーを企画した。このセミナーで人脈ができ、新しいプロジェクトが生まれると面白いのでは」と話していた。

飲食を交えて行われたセミナー

飲食を交えて行われたセミナー

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧