団体、個人5人が全国へ 北高レスリング

山形県上山市で30日に開幕する全国高校総体レスリング競技で、県立和歌山北高校の活躍に期待が高まっている。同校は、第53回近畿高校レスリング選手権大会(6月22~25日、グリーンアリーナ神戸)で続々と入賞。団体の学校対抗戦は県勢として35年ぶりの優勝を果たし、個人戦でも4人が優勝、1人が準優勝し、全国への道を切り開いた。

団体は、近畿大会準決勝で京都の強豪・網野と対戦。顧問の森下浩教諭によると、同校は軽量級が強く、団体戦の中で最も注意を払った相手だった。初出場の1年生も多い中だったが、網野の選手を研究。森下教諭らのアドバイスを受けて、いかに相手の得意技に持ち込ませないようにするかを考え、それぞれの技術を生かした攻略法を編み出した。

さらに、通常の団体編成から74㌔級と84㌔級の選手を入れ替えて対策。55㌔級では、1年の谷口虎徹君が全国中学校選手権優勝の網野1年・芹沢雄生選手を押さえ込み、団体キャプテンである3年・大植悠生君も60㌔級で勝利。軽量級の選手を次々抑えて決勝へとつなげた。

個人戦は、女子フリースタイル56㌔級で3年・松下京加さん、男子フリースタイル66㌔級で2年・谷口智紀君、グレコローマンスタイル50㌔級で2年・岡本景虎君、同55㌔級で1年・谷口虎徹君が優勝。女子フリースタイル52㌔級では2年・三輪柚奈さんが準優勝し、インターハイへの道を開いた。

松下さんは総当り戦、三輪さんと男子の各階級はトーナメント方式で戦った。

松下さんは初戦こそ緊張していたが、2回戦以降は得意の投げを決め、優勝をつかんだ。

谷口智紀君は練習を重ねてきた高位置からのタックルで勝負し、準決勝まで無失点。決勝では2ポイント奪われたが、相手の下に入りがちな癖を直して高位置のタックルを決めることができた。

成果を発揮できた選手もいる一方、思い通りのレスリングができなかったと振り返る選手もいる。

シードで2回戦から出場した三輪さんは、決勝で全国王者の京都・海洋の今井佑海選手と対戦。得意技の正面タックルを決められず、「何もできなかったのが悔しい」と話す。

谷口虎徹君は高校生になって初めての近畿大会。優勝できたが、技をかける勇気が出せない場面や試合運びがうまくいかなかったこともあり、悔しさの残る大会となった。

岡本君は試合展開にミスが多かったとし、もっと積極的に仕掛けるべきだったと振り返る。

間近に迫った全国高校総体に向けて、同部では団体、個人ともに合宿を通して体はもちろん勝ち切るための精神力も磨いている。団体キャプテンの大植悠生君(18)は「キャプテンとしてチームを誇れるよう、優勝を目指していきたい」と意気込んでいる。

35年ぶり優勝の団体チーム

35年ぶり優勝の団体チーム

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