夢前町の取り組みも 山口産廃問題で学習会

 和歌山市山口地区の産業廃棄物最終処分場建設計画を巡り、地元住民らを対象とした学習会が7月30日、和歌山市直川の市北コミュニティセンターで開かれ、国内最大級の産廃処分場建設計画を事実上ストップ状態に追い込んだ兵庫県姫路市夢前町での取り組みについて、入江次郎同県議が報告した。

 和歌山市の環境を考える会が主催。山口地区では、㈱フォーシーズン・ファクトリー(和歌山市)が滝畑・上黒谷地区に面積約11万平方㍍、容量約230万立方㍍の最終処分場建設を計画。地域住民らは自然環境の悪化や災害の発生につながるとして反対運動を続けており、17万筆を超える署名が集まっている。

 学習会で入江県議は、地域住民が日頃から廃棄物処分場建設問題に関心を持ち続けることが大切と強調。奈良・三重の両県を例に、専門家の間で「産廃銀座」と呼ばれるほど廃棄物処分場の建設が各地で相次いでいる状況を紹介し、警鐘を鳴らした。

 夢前町の処分場建設計画については、平成24年に計画が広く知られるようになった時点ですでに、同町内全自治会の役員が計画への合意を示す書類に押印し、協力金を受け取っていたことを紹介。その後、計画事業者が過去に手掛けた廃棄物処分場に法令違反があることが分かり、その点を指摘したことで欠格要件に該当するとして、行政から処理施設設置許可などを取り消される処分を受けたことを説明した。

 入江県議は、同町での建設計画を止められた要因に、住民への説明を繰り返すことで問題点をよく知ってもらったことを挙げていた。

夢前町での取り組みを語る入江県議(右奥)

夢前町での取り組みを語る入江県議(右奥)

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