絵画の制作過程を公開 土井久幸さん個展

和歌山市の洋画家・土井久幸さん(40)の絵画展「キャンバスに向う姿」が13日まで、同市十二番丁のMsギャラリー12番丁で開かれている。

絵画制作の過程を公開する、少し変わった展覧会。土井さんは「普段、皆さんが目にするのは完成した作品がほとんど。実際の過程を見ていただくことで『自分も描けそう』と、絵画を身近に感じてもらえるとうれしいです」と話している。

土井さんはフランス取材を基に、見る人との共感を大切にする独自の「情景画」を追求し、表現。第50回昭和会展で「昭和会賞」を受賞している。

このほど、絵画愛好者や美術教育の活用にと、絵画の教則DVDを作成。クレパス、油彩、水彩、パステル、アクリルの5種類の画材の使い方を、実際に一枚の絵を完成させるまでの映像とともに解説したもの。

今展はDVD完成を記念し、本編で描いた原画作品の他、油彩やアクリル、クレパス画など25点を展示。DVD映像も上映している。

会場には、柔らかな木漏れ日、水辺と建物など、光や風、街の人々の気配が感じられるような、優しい色調の作品が並ぶ。イーゼルには制作途中の絵も掛けられ、まるで土井さんのアトリエを訪れたかのよう。

本画に取り掛かる前に描く下絵も展示。会期中には土井さんが制作する時間帯もあり、作品がどのようにして出来上がっていくのか、間近に見ることができる。

午前11時から午後7時(最終日は5時)まで。問い合わせは同ギャラリー(℡073・431・8255)。

アトリエのような空間で土井さん

アトリエのような空間で土井さん

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