繊細で華麗な漆の仕事 橋爪さん個展
海南市の漆芸家・橋爪靖雄さん(82)の作品を紹介する「漆の仕事part.9」が18日まで、和歌山市十二番丁のMsギャラリー12番丁で開かれている。
橋爪さんは日展特選、文部科学大臣賞などを受賞。県文化奨励賞、県文化功労賞を受け、平成27年度県名匠表彰に選ばれている。
今展では、海南市黒江の浄国寺の天井画に、蒔絵で描いた草花をモチーフにした小色紙「秋の章」の他、パネルなど約30点を展示。朱色の大皿、根来塗りのわんなども並ぶ。
蒔絵のびょうぶ「ひと駒2007」(1・5㍍×1・4㍍)は、10年前の、赤い月が見られると話題になった皆既月食を題材にしたもの。橋爪さんが瀬戸内海上に浮かぶ直島を旅した時期だったため、背景に遥かな銀河を重ね、貝殻が月からこぼれ落ちるような情景を幻想的に表現した。
小色紙はフウセンカズラやツユクサ、ヤマホトトギスなど小さな草花を愛らしく描写。漆黒にホオズキやレンゲなどを色漆で繊細に描いた叙情的な作品も並び、橋爪さんは「漆の魅力をもっと知ってもらいたい。絵画と一緒に並べても遜色なく、『漆でもこれだけの表現ができる』というのが伝わればうれしいです」と話している。
午前10時半から午後7時(最終日は4時)まで。問い合わせは同所(℡073・431・8255)。
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