最後のお願いに全力 紀の川市議選19日投票

 和歌山県の紀の川市議選(定数22)は19日の投開票まで残り一日となった。各陣営は街宣車で市内全域を巡り「お願いコール」と名前の連呼で最後の訴えに力を込める。実績と知名度で勝る現職は地盤を固め、堅実な票の上積みで優位に戦いを展開。新人は苦戦を強いられており、浮動票などの取り込みに奔走している。

 各陣営は街宣車で市内を駆け巡り「(候補者名)に皆さまのお支えをお願いします」「皆さまの力で、どうか市政へと押し上げてください」などと声をからす。街宣車に手を振ったり、外に出て握手を求めたりする有権者が目立ち始め、低調だった関心は徐々に高まりつつある。

 選挙戦も残りわずかとなり、現職、新人の十数陣営が安全圏に入ったと見られる一方、複数陣営が当落線上でしのぎを削る。最後の追い込みが結果を左右しそうだ。

 着実に足元を固めてきた現職は優位に戦いを進め、引退する議員の票や、前回は候補が落選し今回は不出馬となった〝空き家〟の票を取り込んでいる。辻立ちや電話作戦など最後まで抜かりのない活動を展開し、票の上積みに余念がない。公明は3議席死守、共産は1議席増の構えで支持固めに懸命。先月の衆議院選挙で市内で3680票を獲得した維新の新人は、組織票を土台に当選に必要な浮動票の上積みに躍起だ。

 前回トップで当選した貴志川の現職は、引退議員の票の一部を固めて万全。前半で地元地域をこまめに回り切り、後半は市内全域で支持の拡大を図る。候補者は「目標の3000票を目指し、悔いのないよう最後まで戦いたい」と気を引き締める。那賀の現職は地盤票に加え、前回の落選者や欠員議員の地域票などを集票。「前回はもっと必死だった」と口にしながらも「最後まで引き締めて戦いたい」と強い決意を話す。

 現職に負けじと新人、元職も激しい攻防を展開する。打田の無所属新人は、引退する父親の支援を受け盤石の戦い。終盤は地元で入念に票を固め、上位当選を狙う。候補者は「皆さんの期待に応えたい。最後まで一生懸命やり抜く」と力を込める。

 桃山の元職は、告示2カ月前からの活動となった前哨戦の遅れを取り戻そうと必死に政策を訴え、共産、維新の新人も当確ラインを目指して奮闘。ポスターや街宣車のない粉河の新人は厳しい選挙になりそうだ。

 16日現在の期日前投票者数は5926人。

残り一日となり懸命にアピールする陣営関係者

残り一日となり懸命にアピールする陣営関係者

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