向山さん平和演奏会 トルコとの友情の自作

日本とトルコの友好の原点になった串本沖でのトルコ軍艦エルトゥールル号遭難事故(1890年)と、イラン・イラク戦争時のトルコ航空機による日本人救出劇(1985年)を音楽で描き、日本とトルコ各地で演奏活動を続けている和歌山県海南市の実業家、アマチュア作曲家の向山精二さん(70)がこのほど、イタリアの首都ローマでトルコ共和国大統領交響楽団と共に演奏会を開いた。

トルコ文化観光省と同国のユヌス・エムレ財団、和歌山県が協賛。今回の演奏会はメインテーマを「争いよりも助け合いを」とし、ローマ市内のエリセオ劇場で、向山さんが作曲した『紀伊の国交響組曲・第五楽章「友情」』を同交響楽団が演奏した。

会場には曲の背景となった日本とトルコの友好の歴史を描く映像も映し出された。戦地に取り残された日本人を救出したトルコ航空機の故スヨルジュ機長の妻・ヘルガさんや、救出された215人を代表して沼田準一さんも来場し、会場の聴衆から感動の拍手を受けていた。

演奏終了後、向山さんにトルコのヌーマン・クルトゥルムシュ観光文化大臣から感謝状、ユヌス・エムレ財団から感謝の盾が贈られた。

夫婦で鑑賞したイタリア人は「日本人を乗せたトルコの救出機がイランとトルコの国境を越えた瞬間の映像を見て、涙があふれてきました。日本とトルコの友情に、心からの拍手を送りたい」と話していた。

向山さんは「幅広い年齢層の方が来場して、熱心に聴いてくださったことには感慨深いものがありました。世界情勢が緊迫する中、微力ではありますが、今後もトルコ共和国大統領交響楽団と共に世界各地を訪問して、127年にわたり続く日本とトルコの固い絆、そして平和を訴えていきたいと思っています」と意欲をみせている。

演奏後の拍手の中、花束を手に笑顔を見せる向山さん

演奏後の拍手の中、花束を手に笑顔を見せる向山さん

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