幼児教育で世界変える 服部さんヨルダンへ
国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員として、和歌山県和歌山市黒田の服部光さん(24)が9日から中東のヨルダンに派遣される。任期は2年間。幼稚園教諭として現場で幼児教育に携わってきた経験を生かし、「『楽しく学ぶ』を基本に、子どもが遊びを通して自ら学んでいくような余裕ある保育を伝えたい。幼児教育で世界を変えられたら」と意気込む。
子どもが好きで、大阪の専門学校を卒業後、幼稚園の先生に。母の実家がある神奈川県川崎市の認定こども園で3年間、年中と年長児のクラスを担当し、「まさに天職」とやりがいを感じていた。応募のきっかけは、海外での指導経験がある同僚の先輩の存在。発想豊かな保育に目を見張り、「私も海外で経験を積みたい」と思うようになった。
途上国では、音楽や体育、図画工作など情操面の成長を重視した教育は行われないのが一般的。服部さんには手遊びや歌、おもちゃ制作などの保育指導が期待されている。また、現地の教育者や保護者らに情操教育の意義を伝える役割も担う。
「何もないところから遊びを考え出すのが得意」という。日本から持っていく物は最小限にし、廃材など現地で調達できる物を使って教材にしたいと考えている。自分が帰国した後も、伝えたことがその国で根付いてほしいと思うからだ。「技術を援助する」JICAの考えを念頭に置いている。
出発が目前に迫る中、かばんに1冊のノートを入れた。これまで取り組んできた保育の内容や園での一日の流れなどが細かく書き留めてある。向こうでも役に立つはずだ。
現地での愛称は「ハーラ」。「月の周囲を照らす光」という意味で気に入った。「『先生になりたい』と子どもが憧れるような先生でありたい。未来を担う子どもたちのために力を尽くしたい」と笑顔を見せた。
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