人との出会いに感謝 薬物乱用防止で講演

青少年の薬物乱用防止を啓発する「わかやま NO!DRUG! フェスティバル」が17日、海南市立巽中学校(同市阪井、浅野一起校長)で開かれた。和歌山県と県薬物乱用防止指導員協議会が主催し、今回で31回目。生徒や保護者ら約220人が薬物の被害や断り方を学び、薬物を使わない決意を強くした。

講演では、依存症患者の回復施設を運営する一般社団法人和歌山ダルクの池谷太輔さんが「薬物乱用の恐ろしさについて」をテーマに体験を語った。

池谷さんは幼少期にいじめと虐待を受け、「大人に助けを求めても無駄」と思い、暴走族に入り、大麻を使うようになった。薬物を使った時の感覚について、「私に対して優しくしてくれた人を大切にしようという思考が機能しない感じ」と振り返った。

現在、池谷さんは依存症患者の支援を行っており、「薬物でなくても、人の心は一つのことで弱くなる。そばに誰かがいるだけで変われる」と生徒に人との出会いに感謝することを伝えた。

その後は大阪税関監視部麻薬探知犬管理センターの麻薬探知犬ラブラドルレトリバーのハク号が麻薬を探すデモンストレーションや、薬物の断り方を2年生が実演。話をすり替えたり、走って逃げたり、さまざまな断り方を紹介し、教員と生徒のやり取りに会場には笑い声も起きていた。

最後に2年生の生徒会長の赤松凜太郎君が「『ダメ、ゼッタイ』を合言葉に薬物を社会からなくすことを決意します」と宣言した。

「寄り添ってくれる人がいれば」と池谷さん

「寄り添ってくれる人がいれば」と池谷さん

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