住みやすいまちに重点 海南市18年度予算案

 和歌山県の海南市は15日、2018年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比3・4%増の246億6万円で、旧海南市と下津町が合併した05年度以降で3番目に大きい規模となり、特別会計と企業会計を含めた総額は1・8%減の457億6938万円。景気回復により市税収入が緩やかな回復基調にあるものの、地方交付税の段階的な縮減などで、財政状況は厳しい。経費の抑制に努めながらも住みやすいまちづくりを目指し、市民交流施設の整備などに重点を置く予算配分となった。22日開会の2月定例市議会に提出される。

 政策の重点テーマは「財源確保と歳出抑制の徹底」「事業の選択と集中の徹底」「スクラップ・アンド・ビルドの徹底」の三つ。第2次市総合計画に掲げる「住みやすいまちづくりプロジェクト」の一環で市民交流施設(仮称)や中央防災公園(同)の整備などに集中投資を図り、人口減少に歯止めをかける施策を推進する。

 主な事業は、市民交流施設建設に7億4590万円、中央防災公園整備に1億2229万、防災行政無線デジタル化事業に4億851万円、旧庁舎撤去事業に1億1883万円などとなっている。

 市政への市民参加もさらに進める方針で、神出政巳市長は「市民に事業の必要性や無駄などの見極めをしてもらう『事業仕分け』を行い、市民が行政を『自分ごと』として考える機会をつくる。住みやすいまちづくりに、市民が一丸となって取り組んでいきたい」と話した。

 一般会計歳入

 市税収入は前年度比4957万円(0・7%)増の68億7735万円。このうち個人市民税は、個人所得が伸び、5・2%増の22億7500万円、法人市民税は法人の業績の伸びに伴い10・3%増の4億6500万円を見込んでいる。

 国庫支出金は、市民交流施設建設事業や、市営住宅等整備事業の増加などにより9・1%増の32億2236万円。県支出金は、県知事選、県議選の負担金などにより6・8%増の16億4205万円。繰入金は減債基金の増加などにより289・7%の大幅増で11億1346万円となっている。

 借金にあたる市債発行額は5億8070万円(15・3%)減の32億1890万円。新庁舎整備事業や、みらい子ども園建設事業が終了したことにより、大幅な減少となった。

 一般会計歳出

 公債費は市債繰上償還の増加により27・8%増の36億3606万円。補助費等は、病院事業会計への負担金・補助金の増加などにより、9・6%増の20億5249万円。普通建設事業費は、新庁舎整備事業、みらい子ども園建設事業の終了などにより2・0%減の40億7011万円となっている。

 特別会計

 国民健康保険の運営が都道府県単位化されることによる国民健康保険特別会計の減少などにより、6特別会計の総額で11・4%減の146億6722万円。

 企業会計

 水道事業会計における導水管更新事業の増加などにより、病院事業会計と合わせた二つの企業会計の総額は3・7%増の65億209万円。

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