紀美野でものづくり体験 奈良女子大付属中

 奈良女子大学付属中等教育学校(奈良市東紀寺町)は、地域の特性を学ぶ教育旅行として、8~9日、和歌山県紀美野町を訪問。2年生の男子生徒57人と女子生徒64人は、野外活動や、ものづくりを通じた地域住民との交流を通して、豊かな自然と人との密接な関わりを実践的に学んだ。 

 教育旅行は生徒自身が企画し、当初は滋賀県や京都府、兵庫県などを行き先に5種類のプランを作成。その中で、紀美野町の「地域おこし協力隊」が同校と以前から交流していたことから、プラン内容の作成の充実が図られ、生徒の投票で紀美野町が選ばれた。

 プランは「紀美野0(ゼロ)プラス」と名付けられ、京都府木津川市の高井ゆりさん(14)が実行委員長を務めた。「何もない町の紀美野に、私たちが何かをプラスしたいと願い、愛称で“キミゼロ”と呼んでいます」と高井さん。

 プランは初日の午後は渓流でのアマゴ釣りやまき割り、みさと天文台の見学で構成。2日目はグループ別に、6種類のフィールドワークを体験した。

 同町小川地区の古民家施設「風の森」では、都市部から移住し、地域振興に尽力する「地域おこし協力隊」の久保浦昌和さん(72)らの指導で竹を切り、穴を開けた灯籠を制作。生徒らは電動ドリルを使いこなし、完成した灯籠に明かりがともされると歓声を上げていた。

 同町中央公民館では、生石加工グループのメンバーを講師に、こんにゃく作り体験が行われた。生徒らはゆでたこんにゃく芋をつぶし、こねる作業などを楽しんだ。参加した奈良市法連町の渡邉達志君(14)は「芋の香りがしたのが、市販のこんにゃくとは違い、こねる作業では種の手触りが気持ち良かったです」と話した。

 教育旅行を終えて渡邉君は「友人も皆、豊かな自然にふれて穏やかな気分になると言っていました。〝紀美野には何もない〟をPRしていますが、自分の楽しみ方を考えることができワクワクします」と笑顔だった。

 同町役場産業課の松本信之さんは、初めて100人以上の団体客を受け入れたことに対し「当初は心配もあったが、各課や各施設、各団体の協力を得られ、良い実績を残せたと思う。さらに町が一つになったように感じられた」と話していた。

こんにゃく作りを楽しんだ生徒たち

こんにゃく作りを楽しんだ生徒たち

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