和歌祭の復元衣装や屏風 和大紀州研で展示

 5月13日に和歌山県和歌山市の和歌浦一帯で行われる和歌祭を前に、同市栄谷の和歌山大学紀州経済史文化史研究所展示室で企画展が開かれている。大学構内では学生や留学生らが和歌祭と企画展をPRするため、法被や南蛮風の唐人衣装を着て練り歩いた。

 企画展は同研究所の村旭輝特任准教授(39)が監修し、2011年から和歌祭に関する資料の展示を開始。今回は「和歌祭と現代―祭礼のフェスティバル化と再興―」と題し、平成の元号のもとで行われる最後の祭りに注目している。

 会場には「餅搗(もちつき)踊」の演目で踊られる餅手合の装束を初めて展示。当時の景観や生活などが分かる「紀伊国名所図会」や南蛮風の衣装をまとった行列が描かれた「和歌浦図屏風」を飾り、通路脇には村さんらが考証、復元した唐人衣装が並んでいる。また1935年の同祭の様子を上映し、展示物だけでなく映像からも学ぶことができる。

 練り歩きでは、学生や留学生、唐舩御船歌連中のメンバー12人が和歌祭御船歌と唐人の行列を披露。紀州藩御船手方の旗を持ち、太鼓、ほら貝を奏でながら「アヨーイヨイ ヨーイヤサー」などと、朗々とした歌声を響かせた。

 唐人行列は昨年の祭りで約350年ぶりに復活を遂げた。ことしも当日に衣装を着て練り歩くという。吉村さんは「高齢化などが進み、全国的に祭りがなくなりつつある。復興の取り組みを通じて、全国へ和歌祭を発信したい」と話している。

 展示は6月1日まで。開館時間は午前10時半から午後4時まで。休館日は土・日曜と祝日、図書館の閉館日。

餅手合装束や和歌浦図屏風が展示されている

餅手合装束や和歌浦図屏風が展示されている

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