和大が粘るも連敗 近畿学生野球Ⅰ部春季

2018近畿学生野球Ⅰ部春季リーグ第3節が21、22の両日、紀三井寺公園野球場で行われ、地元期待の和歌山大は、奈良学園大に連敗を喫した。勝ち点を得られず2連覇も厳しい状況となったが、両日ともに和大ナインの終盤の粘りは素晴らしく、諦めず勝ちにこだわる闘志が、プレーの一つひとつに表れ、後半戦の巻き返しを予感させる、熱い戦いが大きな収穫となった。

【第3節】
◇1回戦

和歌山大 0 0 4 0 0 0 0 0 0 4
奈良学園大 0 4 0 0 0 0 0 0 1x 5

奈良学園大 2 0 0 5 2 1 0 0 0 10
和歌山大 2 0 2 0 0 0 0 1 3 8

2017年春季リーグのチャンピオン・和歌山大の1年ぶりの地元開催には、OBや卒業生だけでなく多くのファンも駆け付けた。初日のスタンドには、同校のブラスバンドも詰め掛け、おなじみの『Jock Rock』や『勝手にシンドバッド』『残酷な天使のテーゼ』など選手それぞれの応援歌を演奏。高校野球に負けない元気な声援が、スタンドを彩った。

第2節の大阪観光大に連勝し勝ち点を獲得した和歌山大にとって、今回の奈良学園大戦は、2連覇の鍵を握る重要な試合でもあり、ファンの期待も注目も一段と高くなった。

和大の先攻で始まった初戦は、奈良学大が2回、長短6安打を集中して4点を先制した。追う和大も3回、すぐに反撃、田頭(市岡出身)、浦(高知)の連打を足掛かりに1点を挙げ、なおも1死満塁と攻め、吉野(近大付)の中前適時打で1点、捕手の捕球ミスを見逃さなかった3塁走者大畑(智弁和歌山)の好走塁で1点、さらに西林(和歌山商)の中儀飛で同点とした。

和大の先発マウンドを任された左腕の野山(鳥取西)は、巧みなけん制でピンチを切り抜け、8回途中で貴志(桐蔭)につないだ。

同点のまま最終回、和大は1死1、2塁から重盗で2、3塁とした。2死で迎えた土田(山梨学院)の打席で、3塁走者がホームスチールを試み、打者が外野飛となったため、得点とはならなかったが「走者の対応で捕手が前に出たのは打撃妨害ではないか」と和大・大原監督が審判に確認を求めた。やや長い中断となったが、判定は覆らず、その裏、1死2、3塁から左儀飛で1点を失い、黒星先行となった。

挽回を目指し臨んだ2回戦は、初回に両校が2点ずつを入れ、一歩も譲らない
スタートとなった。和大は3回、2死2塁から大畑、宮井(向陽)の連続適時打で2点を勝ち越したが、中盤で奈良学大が反撃、4回に5点、5回に2点、6回に1点と6点をリードされた。

4回以降、好機をつかめない和大だが、3番手で登板した神崎(海南)が力投、終盤の7、8、9回を無得点に抑え、味方打線の爆発を待った。和大は8回、先頭の浦が右翼線を破る2塁打で出塁、2死となったものの、積極的な走塁で3塁に達した浦は、宮井の適時打であっさり生還、1点を返した。やや勢いをつかんだ和大は最終回、1死1塁から馬場(郡山)、田淵(鳥羽)の連打で1点、2死後に浦の2塁打で2点を奪い、2点差まで迫ったが、後1打が出ず涙をのんだ。

結果は連敗だが、終盤に見せた和大ナインのガッツは、次につながるステップでもあり、28日から始まる第4節の大阪市大戦、第5節の大阪工大戦でも奮起が楽しみ。

3塁走者大畑選手の好判断で1点差に迫る和大(1回戦)

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