和歌山は観光資源が強味 IRシンポジウム

 和歌山県が導入を目指すカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の実現に向けて、県や和歌山IR推進協議会、和歌山商工会議所は19日、和歌山市七番丁のダイワロイネットホテル和歌山で「統合型リゾート(IR)シンポジウム」を開催し、約300人が参加した。

 県の高いポテンシャルを全国に発信するとともに、県民に向けてIR導入の効果に関する正確な情報を提供し、地域の特性を生かした地方型IRの有用性や必要性を伝え、誘致に向けて関心を高めることが目的。

 仁坂吉伸知事は「シンポジウムをどんどんやってIRについて分かってもらう、議論してもらうことが大事」とあいさつ。政治解説者の篠原文也氏は「IRにおける国の動向と地方型IRの必要性」と題して講演を行い、「和歌山は観光資源が豊かなことが強み。関西空港からも近く、立地条件も良い。IRをきっかけに観光地を回ってもらうという流れを作りやすい」と和歌山へのIR誘致に積極的な姿勢を示すとともに、「IRはインパクトの大きい政策。経済政策とともにギャンブル依存症対策などの社会政策とのバランスが大事。日本人の入場は厳しくしたほうがいい」と日本人のカジノ入場には一定の規制が必要との考えを示した。

 パネルディスカッションでは、仁坂知事やブルームベリーリゾーツジャパン㈱ジャパンデスクの桐山満啓氏、キャピタル&イノベーション㈱の小池隆由社長、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会の田中紀子代表理事、㈱信濃路の西平都紀子社長が参加し「IR導入におけるメリットの最大化とデメリットの最小化」と題して議論を行った。桐山氏は「高野山、熊野古道、白浜など和歌山は魅力的な観光資源が整っている。十分採算が取れる」と和歌山でのIRの効果を強調。田中代表理事はカジノに対しては肯定しながらも、「入場規制を強めることがギャンブル依存症対策になるとは思わない。どのくらいの規模でギャンブル依存症対策をするのか、財源を出すのかを真剣に考えることが必要だと思う」と入場規制だけで依存症対策をする姿勢には懸念を示した。

シンポジウムでIRについて議論する参加者

シンポジウムでIRについて議論する参加者

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