志を持ち努力を 小久保さん球児にエール

和歌山県和歌山市出身の元プロ野球選手でWBC2017侍ジャパン監督の小久保裕紀さん(46)が23日、第100回全国高校野球選手権記念和歌山大会の組み合わせ抽選会の前に講演し、県内の高校球児に目標や志を持ち努力すること、自分の長所を磨くことの大切さを訴えた。

小久保さんは砂山小学校から西和中学校、星林高校を経て青山学院大学に進学。卒業後は福岡ダイエーホークス(当時)に入団し、プロ2年目にパリーグの本塁打王を獲得するなど球界屈指のスラッガーとして活躍した。巨人やソフトバンクでプレーした後、2012年に現役を引退。翌年からは野球日本代表「侍ジャパン」の監督を務め、昨年3月のWBCでは日本代表を4強に導いた。

講演では、プロ入りまでの人生を振り返り、大学2年時に参加したバルセロナ五輪日本代表候補の合宿で4年生のプロ注目選手と打撃の飛距離が互角だと感じ、自身の長所が長打力にあることを確信したと紹介。「ボールを遠くに飛ばすことなら負けないと感じ、プロに入ってレギュラーを取ることが目標になった」と話した。「プロ入りをゴールではなく、スタートと考える選手は入団後も伸びる」と強調し、「自分が人生で何を成し遂げたいのか、常に自問自答しながら志を持って人生を歩んでほしい」と呼び掛けた。

現役時代や日本代表監督時代に接した名選手のエピソードも披露。マリナーズのイチロー選手から「小久保さんは数字を残すために野球をやっているんですか。自分は野球を通じて原石を磨き上げたい」と言われた経験から「衝撃を受け、野球を通じて人間的に成長しようと考える大きなきっかけになった」と話した。

エンゼルスの大谷翔平選手が日本代表の宿舎で食事をする前に必ず料理を撮影していたことも紹介。「ブログにでもアップするのかと聞いたら、自分が食べる料理を栄養士に確認してもらうためと答えた。意識の高さに驚いた」と話し、「1日10分でもいいので、何か決めたことを毎日続けてほしい」と呼び掛けた。

夏の大会を控えた球児に対し、強いチームづくりについてもアドバイス。主力選手の野球に取り組む姿勢がチームに大きな影響を与えると強調し、「ソフトバンクが強いのは声の連携や打者の一塁への全力疾走など小さいことを徹底していることも大きい」と話した。

星林高校1年の松山恭太君(15)は「地道な取り組みをこつこつと続けることの大切さがよく分かりました」と話していた。

講演する小久保さん

講演する小久保さん

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