和歌山高商の史料紹介 和大図書館で企画展

 和歌山大学(和歌山県和歌山市栄谷)図書館3階の紀州経済史文化史研究所展示室で8月9日まで、企画展「和歌山高商文書でみる近代日本のあゆみ」が開かれている。

 企画展は年に数回開催しており、本年度は2回目。同大学経済学部の前身である和歌山高商の史料には、近代日本を知る上で必要な記述がされていることから初めて展示した。

 史料は昨年、同研究所が寄託を受けたもので、校長の書簡や警備日誌、帳簿、卒業アルバムなど、大学所蔵品を含む史料約40点を展示。文部省と学校との往復文書では、第2代・花田大五郎校長が1943年の太平洋戦争中の勤労の内容について記載。山林開墾や防空壕の建設などの勤労を強いられたことで、学生の勉強時間が少なくなっている現状を意見した記述が紹介されている。

 経済学部の長廣利崇准教授は「学校や社会が戦争に巻き込まれていく過程が分かる展示。戦争はしてはいけないことを再確認してもらいたい」と話している。

 休館日は土日、祝日と図書館閉館日。時間は午前10時半~午後4時。無料。7月15日のオープンキャンパスでは午前10時~午後2時半、特別開室し午後0時15分からミュージアムトークを企画している。詳しくは同研究所(℡073・457・7891)。

展示されている史料に見入る来場者

展示されている史料に見入る来場者