WAKAYAMA NEWS HARBOR
和歌山さんぽみちプロジェクト

自ら考え行動、防災意識の向上を

 「家康紀行」のシリーズ中ですが、大雨関連の話題をお伝えします。
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 6日未明から明け方にかけての激しい雨では、平年1カ月間の総雨量(7月)の倍以上を記録。大阪と和歌山を結ぶ鉄道や空港バスは長時間運休し、阪和道や第二阪和国道をはじめ風吹峠や孝子峠を通る主要道路も一時通行止めとなり、府県間の交通網がまひした。
 唯一、通行ができた岬と加太港を結ぶ県道・府道65号でも、山の斜面からは多量の水を含んだスポンジのごとく水が噴き出し、こぶし大の落石や土砂が道路に広がり、茶色い水で冠水する箇所も見られた。
 孝子へと続く府道752号和歌山阪南線(旧26号)の通行止めに伴い、阪南市付近から深日中央交差点までの和歌山方面車線では渋滞が発生。阪南市から和歌山市まで3時間以上を要する時間帯もあり、府県間の移動に大きな混乱を来した。
 明治以前では、和泉山脈は天然の要害となり海は輸送の要として重宝された。交通が発達し、労働や物資の調達を地域内で完結しなくなった現代において交通遮断による影響は大きい。かつては重宝された特徴的な地形も、現代の異常気象にかかれば地域を孤立させる要因に。
 いつ、どこで発生するか分からない豪雨であるが、気象予報サイトを見ればリアルタイムに自分に迫る危険を察することができる。不要不急の外出を控え、やむを得ず出掛ける際には道路交通情報センターや県の道路情報サイトを使った情報収集も有効。
 数十年に一度とされる水害が各地で起こる昨今。自ら情報を収集するアンテナの高さ、あらかじめ有事に備えた自主的な判断基準を設けておくなど、自ら考え行動できる防災意識の向上が求められている。  (次田尚弘)