追悼の夏祭り 神路原神社「灯篭ざいてん」

 和歌山県和歌山市西坂ノ上丁の神路原神社で9日、和歌山大空襲の犠牲者を追悼する「灯篭ざいてん」が行われ、来場者が平和の願いを込めた灯籠の明かりをともした。

 戦争で亡くなった人々を「在天」として祈り、空襲の記憶を後世に受け継ぐ祭りで、ことしが3回目。お菓子まきや神楽の奉納、ベリーダンスやカラオケのステージなどが行われた。

 ステージでは最初に戦争体験者によるお話会が行われ、同市岩橋の中村あきよさん(86)が登壇した。中村さんは当時13歳で、空襲の火から逃れようと川に飛び込んで何重にも折り重なった人々を目にしたことや、疎開先の荒川(紀の川市桃山町)で食事代わりに桃を食べていたという体験談を語り、「とにかく戦争はもういらない」と平和を願った。

 神社の本殿では、来場者が願い事を書いた紙を貼った竹の灯籠が約70本並べられ、世界平和や家内安全といった願いがろうそくの火に照らし出された。

 同神社禰宜の久米昭仁さん(52)は「皆さんの協力でできた祭り。戦争で亡くなった人に喜んでもらい、供養につながれば」と話した。

竹灯籠を見つめる子どもたち

竹灯籠を見つめる子どもたち

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