こがねぐも相撲30人が熱戦 ビオトープ孟子

 NPO法人自然回復を試みる会ビオトープ孟子(北原敏秀理事長)主催の「第19回海南市長杯争奪こがねぐも相撲大会」が8日、和歌山県海南市大野中のわんぱく公園で開かれ、3~11歳の子どもたち約30人が参加し、クモの迫熱した戦いを見守り、生き物への関心を深めた。

 クモ相撲は戦国時代、薩摩の島津家で士気を高めるために金銭を賭けた遊びが起こりとされ、現在も鹿児島県加治木町で行われている。

 大会は同町のルールに沿って実施し、県立向陽中学校理科部の生徒20人が運営に当たった。

 わんぱく公園の有本智園長は「クモの戦いは命のやり取りであり、自分の分身だと感じて観察してほしい。何事も真剣に取り組む心を持ってほしい」とあいさつ。参加者は、同NPOが管理している里山で捕獲されたコガネグモ約70匹の中から、2匹ずつを選び相撲に臨んだ。

 戦いの土俵は約60㌢の棒の上。先端の「構え」と支柱付近の「仕掛け」の位置で放された2匹のクモは、かみ付いたり糸を掛けたりして戦ったかと思えば、戦意を見せない取り組みもあった。日本クモ学会会員の関根幹夫さん(66)や北原理事長が行司を務め、試合はトーナメントで進んだ。

 同中3年の中村凌君は「クモの俊敏さや手足の長さで勝敗が分かれます」、関根さんは「若い保護者が幼い子どもを連れてきてくれてありがたい。来年も参加したいとの声があり、うれしい」と話していた。

 大会の上位入賞者は次の通り。

 海南市長賞(1位)=保田海里(8)▽ビオトープ孟子賞(2位)=山本大輝(13)▽わんぱく公園賞(3位)=西山大晟(10)

コガネグモの戦いを見つめる参加者

コガネグモの戦いを見つめる参加者

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