智弁サヨナラで市高破りV 高校野球決勝

 第100回全国高校野球選手権記念和歌山大会は14日目の26日、和歌山県和歌山市毛見の紀三井寺公園野球場で決勝が行われ、智弁和歌山が7―6で市和歌山にサヨナラ勝ちし、2年連続23回目の優勝を果たした。智弁は5試合で大会新記録となる51打点をたたき出し、8月5日に阪神甲子園球場で開幕する夏の甲子園で18年ぶりの全国制覇を目指す。

 ◇決勝

市和歌山 1 2 0 0 0 1 0 0 2 6
智弁和歌山 0 1 2 2 1 0 0 0 7

 〔市〕柏山、奴田、金田、津熊―米田〔智〕平田―東妻▽本塁打=林(市)冨田(智)▽3塁打=吉田(市)東妻(智)▽2塁打=吉田、柑本、中村(市)文元、根来(智)
 
 智弁は3点を追う2回裏、冨田の左越えソロ本塁打で1点を返すと、3回裏には2死1、2塁から文元が左越えに適時2塁打を放ち追い付いた。4回裏は1死2塁から東妻の左前適時打で1点を勝ち越した後、神先の右前適時打でさらに1点を加えた。

 同点に追い付かれて迎えた9回裏は先頭の林が遊撃手の失策で出塁。相手の捕逸と犠打で3塁に進んだ後、黒川の右犠飛でサヨナラのホームに滑り込んだ。

 先発した平田は2回までに長打3本を浴びて3点を失ったが、徐々に立ち直り、3回から8回まで失策による1点のみに抑える好投。9回は無死1塁から2点本塁打を浴びて同点に追い付かれたが、後続を三振と併殺打に仕留め、裏の攻撃につなげた。

 優勝を決める右犠飛を放った黒川は「外野へ球を運ぶことだけを考えていた。自分が決めるつもりだった」、際どいタイミングでサヨナラの生還を果たした林は「相手の外野手が前に出ていたが、外野に飛んだら走ろうと決めていた。祈るような思いで判定を待った」と振り返った。

 髙嶋監督は「市高の打線に前半は圧倒されてしまった。平田は苦しかったと思うがよく耐えてくれた。甲子園では目標を上に置いてがむしゃらにやっていきたい」、文元主将は「9回に追い付かれた後も、このメンバーなら絶対に勝てると信じていた。大阪桐蔭とまた甲子園で試合がしたい」と次を見据えた。

 市和歌山は1回表、吉田と柑本の連続2塁打で1点を先制。2回表は吉田の適時3塁打と柑本の中前適時打で2点を追加した。逆転されて迎えた9回表は、代打の林が左翼席に2点本塁打を放ち同点に追い付く粘りを見せたが、登板した4投手が智弁打線を抑え切れなかった。
 半田監督は、毎回安打を放ち9回に追い付く粘りを見せた選手の戦いぶりに目を潤ませ、「よく自分たちの力を出し切り、1年間の集大成の試合をしてくれた。これを糧にまた強いチームをつくります」と話した。 

 仁坂吉伸知事 智弁和歌山の皆さん、おめでとうございます。記念すべき第100回大会では「野球王国・和歌山」の代表としての誇りと伝統を胸に、18年ぶりの深紅の大優勝旗を持ち帰られることを大いに期待します。

サヨナラ勝ちで優勝を決め、本塁付近で喜びを爆発させる智弁の選手たち

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