和歌浦の魅力を和歌に わかやま海守り隊

 日本遺産・和歌の浦の歴史と海を守る大切さを子どもたちに伝えるイベント「海を学び未来に伝える2018~わかやま海守り隊~」が9日、和歌山市の和歌浦周辺で開かれ、小中学生31人が和歌浦や海への思いを短歌に詠んだ。

 海と日本プロジェクトin和歌山県とテレビ和歌山が主催。子どもたちは県立自然博物館学芸員の揖善継さんによる干潟の自然観察や、市立博物館前館長の額田雅裕さんによる歴史の学習会を通して和歌浦の歴史や海の大切さを学んだ。

 揖さんは和歌浦の干潟の環境を解説。ハマグリなどの貝類をはじめ多数の生き物がすみ、準絶滅危惧種のトビハゼなど珍しい生き物も生息していると紹介し、貝や魚を食べに飛来する鳥もいることから、干潟で食物連鎖が起こっていることを説明した。

 子どもたちは干潟の岩をひっくり返したり、スコップで穴を掘ったりして生き物を捜索。和歌祭の御船歌の歌詞にも出てくるハクセンシオマネキや、岩に張り付いたカキを採集していた。

 和歌の浦アート・キューブでは額田さんによる和歌浦の歴史の講座が行われ、万葉集の時代の地形図と今の地図を見比べて和歌浦の変化を調べた。氷河期から現在までの地形図や名所図絵を比較し、和歌浦干潟がどのような変遷をたどって今の形になったのかを学んだ。

 午後からは片男波海岸で海水浴を楽しみ、燦短歌研究会の永廣禎夫代表に教わりながら、この日の体験や和歌浦への思いを短歌に詠んだ。

 市立木本小学校5年の北川伶君は「干潟に行って、生息している魚のこととかが分かった。短歌には和歌浦の海を残したい気持ちを詠みたい」と話していた。

 子どもたちの短歌は後日掲載予定。

干潟の生き物を調べる子どもと揖学芸員

干潟の生き物を調べる子どもと揖学芸員

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