最多49カ国参加へ 世界津波の日サミット

 10月31日と11月1日に和歌山市で開催される「『世界津波の日』2018高校生サミットin和歌山」について、県は22日、東京都千代田区永田町の衆議院第二議員会館で記者会見を開き、詳細を発表した。仁坂吉伸知事や「世界津波の日」提唱者の二階俊博自民党幹事長、西岡利記広川町長、県内から参加する高校生らが出席し、過去最多となる49カ国、487人が参加することなどを明らかにした。

 「世界津波の日」は1854年11月5日、安政南海地震の際に広村(現広川町)の濱口梧陵が「稲むらの火」で人々の命を救った逸話が残る日。2015年12月、国連総会本会議で全会一致で正式に決定した。

 高校生サミットは、国土強靱(きょうじん)化を担う将来のリーダーを育成することなどを目的に開始。おととしは高知県、昨年の沖縄県に続き、今回が3回目となる。

 和歌山ビッグホエールとダイワロイネットホテル和歌山を会場に、開閉会式や交流会、分科会、津波防災講演会を実施する。全体テーマは「災害から命を守る~『稲むらの火』発祥の地、和歌山で濱口梧陵の精神を共に学ぶ」。開催を前に実施するスタディツアーでは、海外参加者が稲むらの火の館や津波避難用高台の視察などのプログラムに取り組む。

 記者会見では国内から49校(うち県内9校)187人、日本を含む世界49カ国の487人が参加を予定していることが発表された。

 仁坂知事は「若い世代の皆さんがサミットでの経験を生かし、防災リーダーや防災政策の指導者になっていくことを期待している」とあいさつ。二階幹事長は「皆で創意工夫し、命懸けで後世に伝えていくことが大事」と述べた。

 また高校生議長2人の紹介もあり、県立日高高校3年の中井充歩さんは「世界中で防災の輪を広げていく第一歩となるような、有意義なサミットにしたい」、串本古座高校2年の伊森安美さんは「議長として参加者や国をつなげ、共に学び、その情報を積極的に発信したい」とそれぞれ話した。

高校生サミットをアピールする(左から)二階幹事長、伊森さん、中井さん、仁坂知事、西岡町長(県提供)

高校生サミットをアピールする(左から)二階幹事長、伊森さん、中井さん、仁坂知事、西岡町長(県提供)