膵臓がん検査も 日赤プレミアム二日ドック

 日赤和歌山医療センター(和歌山県和歌山市小松原通)は、検査項目を充実させた総合的な健康診断「プレミアム二日ドック」を10月1日に開始する。胆管や膵管の描出に優れたMRCP検査を取り入れ、見つかりにくく進行も早い膵臓がんの早期発見・早期治療につなげる。また、胃や大腸の内視鏡検査など、従来は精密検査で行う検査を加えた密度の濃い内容で「あらゆる検査を網羅した質の高い人間ドック。早期発見で、病気やがんへの手遅れをなくしたい」としている。

 同センターの人間ドックは、通常の人間ドック(一日、二日)の他、脳、肺がんの各ドックがある。一日ドックは年間約6500人、二日ドックは約600人が受診しているという。

 プレミアム二日ドックは、ホテルでゆったりと過ごしながら、自身の健康状態を再確認してもらうプラン。従来の二日ドックの検査項目に、全てのオプション検査や、他施設の人間ドックにない、MRCP検査などを加えた。MRCPはMRI装置を使って胆管や膵管の撮影をする検査で、胆管がんや膵臓がんなどの発見に有効。

 また、近年増加する大腸がんの検診は便を調べる便潜血検査が一般的だが、早期発見に有効な内視鏡検査を盛り込んだ。その他、頭部MRA検査(脳血流検査)、頚部MRA検査(頚部血流検査)、全身CT検査を取り入れ、全身をきめ細かく検査する。

 人間ドックで、膵臓の検査を実施している医療機関は全国でもわずか。膵臓がんは、CT(コンピュータ断層撮影)検査や腹部超音波(エコー)検査では見つかりにくく、見つかった場合でも手術ができない状況が多いのが現状という。

 同センターでは2017年に肝胆膵外科を開設。県内で数人しかいない、日本肝胆膵外科学会の高度技能専門医が在籍している。また、診断能力の高い放射線画像診断の専門医もいるため、高度な技術を要する手術ができ、精度の高い診断が可能という。

 同センターによると、膵臓がんは一般的には2㌢未満で手術が可能だが、2㌢以上の大きさで発見される場合がほとんど。今回のドックでの検査導入に、同センターの腎臓内科部長で健診部の東義人部長(60)は「快方に向かうことが期待できる1~1・5㌢でがんを見つけたい」とし、「専門の医師が診察し、これまでより一層、いち早く体の異常を見つけられるのではないかと思う。早期発見から予防まで、ぜひ健康管理に役立ててもらえれば」と話している。

 料金は21万6000円(税込み、宿泊代や食事代など込み)。夫婦で受診した場合は10%割引で、一人19万4400円(同)。問い合わせは同センター(℡073・422・4171=代表)。

「健診で疾病の早期発見、治療につなげたい」と東健診部長

「健診で疾病の早期発見、治療につなげたい」と東健診部長

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