精神性表れた日本画 7日まで伯玄会作品展

 日本画グループ伯玄会(新田博昭理事長)の第38回展が7日まで、和歌山市民会館展示室で開かれている。

 同会は同市の日本画家の故・稲垣伯堂氏の志を受け継ぐ門下生らでつくる会。会員35人が風景や花などを題材に日本画や水墨画約60点を出品している。

 墨や顔彩を使って和紙をもみ込み、表と裏の両方から色を入れる伝統の技法で、立体感や深みを表現。作品は、緑に映える桜を描いた「山里の春」、竹林に鳥が遊ぶ「爽風」、崇高な雰囲気の「那智」の他、笑みを誘うような動物を題材にした作品などが並ぶ。

 40歳を過ぎて稲垣氏に教わり、今は指導する柳瀬継夫さん(76)は、「自然の土を使ったり、色をつくったり。裏から彩色する裏胡粉など、素朴な日本の心を大切にしています。この伝統的な表現がなくならないよう伝えていきたい」と話し、新田理事長(83)は「絵の材料となる風景を求めて旅をするのも楽しいです。伯堂先生は心を打つような深みのある絵をと、精神的なものを重視されましたが、皆さんそれに近づきつつあるのではと思います」と話していた。

 午前10時から午後5時(最終日は4時)まで。

柔らかな雰囲気の風景画が並ぶ

柔らかな雰囲気の風景画が並ぶ

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