介護テーマに小説出版 与儀さんの電子書籍

 作家活動をする和歌山県和歌山市岩橋の与儀清安さんが、小説『ルカの介護日記』を風詠社の電子書店ブックウェイから自費出版した。

 介護をテーマに、家族との実体験を基に執筆した与儀さんは「これまでの中で最も深い作品ができた。同じような境遇にある人の気持ちに寄り添えるような一冊になれば」と願っている。

 『愛の重さ』『和佐富士は見た~松下幸之助の伝説的原点』に次ぐ第3作。ファッションモデルを夢見る主人公の少女ルカと、父の死をきっかけに認知症を患うようになった母ハルをめぐる物語。一度はつかみかけた夢を犠牲にし、一人で母の面倒を見ることへの割り切れない思いや葛藤(かっとう)、その中でも見いだす希望などをつづっている。

 高齢化や核家族化が進む中、社会全体の課題といえる介護問題を題材にした与儀さんは「自分の思いを話したり、人に聞いたりする中で、暗闇の中でも光が見えてくる。介護者がこれ以上孤立しないよう、行政や専門機関など、相談できる場所がたくさんあることを伝えたい」と話している。

 電子書籍は540円。オンデマンド印刷本は1620円(税込み)。風詠社のホームページから購入できる。

「社会の問題に向き合った一冊」と与儀さん

「社会の問題に向き合った一冊」と与儀さん

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