欧州で日本酒拡大へ 吉村秀雄商店が最高賞

 ㈱吉村秀雄商店(岩出市畑毛)の日本酒「車坂 山廃純米大吟醸」が、世界最大規模のワイン品評会「ブリュッセル国際コンクール」の日本酒部門で純米大吟醸酒の最高賞「トロフィー酒」に選ばれた。来年2月にベルギーやフランス、イタリアで展示・商談会などが予定され、欧州での消費拡大を目指す。安村勝彦社長(62)は「ヨーロッパの人に家庭で日本酒を飲んでもらえるよう、PRしていきたい」と意気込んでいる。

 同コンクールは世界55カ国から1万本以上のワインが出品され、40カ国の審査員が評価する。11月に行われた今回は、25周年を記念して日本酒部門「サケ・コレクション」を新設。純米大吟醸酒、純米酒、スパークリング日本酒など7部門に計617銘柄がエントリーした。

 「車坂 山廃純米大吟醸」は最高レベルのプラチナ賞に選ばれ、さらにそのトップのトロフィー酒の栄誉に輝いた。同社は純米酒部門にも「車坂 山廃純米酒」を出品し、シルバー賞を受けた。

 コンクールの受賞酒は、次回までの1年間、さまざまな市場でプロモーションされ、世界への販路が開かれる。同社は約5年前から香港や韓国などの東アジア市場に進出し、2016年末からは欧州への販路拡大を目指し、社員をフランスやドイツに派遣しており、今回の受賞は大きな弾みになる。

 他の受賞酒は、香りが華やかで酒単体で飲みやすいものが多い中、「車坂 山廃純米大吟醸」は、食事とともに飲むことで料理の味を引き立てるのが特長。安村社長は「口当たりが滑らかで味は深く、米のうま味が感じられ、酸も効いている。焼肉などによく合う」と語る。2014年に醸造し、3年熟成させることで、ワインのように酒の魅力をさらに引き出したという。

 来年2月7日にベルギー・ブリュッセルでトロフィー酒の受賞セレモニーがあり、その後は11~13日にフランス・パリでの国際展示・商談会への出品、15~16日にはイタリア・ミラノ、ローマの老舗百貨店での展示が予定されている。

 現在の欧州の日本酒事情は、日本料理店での消費が中心。安村社長は「ヨーロッパで日本酒の存在感を高めたい。現地の人に家庭で日本酒を飲んでもらうために、今回の受賞を弾みにしたい」と話している。

受賞した銘柄を手に欧州へのPRに意気込む安村社長

受賞した銘柄を手に欧州へのPRに意気込む安村社長

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧