100回記念で演奏会 とらふすクラシック

 和歌山で演奏会を開くクラシック音楽家らによる本紙毎週木曜付のリレー連載「とらふすクラシック」が100回を迎えるのを記念し、これまでの執筆者によるコンサートが3月21日午後2時から、和歌山市本町のフォルテワジマ4階大ホールで開かれる。10月に初開催される「きのくに音楽祭」のプレコンサートとなり、出演者は全てボランティアで、収益は同音楽祭に寄付する。

 実行委員会が主催し、「楽しいクラシック」をテーマに、8人が出演する3部構成のプログラムを企画した。

 第1部は「J・S・バッハ生誕に寄せて」。この日が誕生日のバッハの作品から、バイオリンパルティータ第2番の「シャコンヌ」を金谷幸三さんのギターで、バッハの全クラヴィーア作品を演奏する「バッハマニア」を展開中の山名敏之さん(和歌山大学教授)がチェンバロで「イタリア協奏曲」を披露する。

 幅広いジャンルの曲を集めた第2部は「きのくに音楽祭への誘い」。南葵音楽文庫がコレクションを収蔵する作曲家・パーセルの歌曲をソプラノ歌手の谷野裕子さんが山名さんのチェンバロ伴奏で歌う。ピアニストの瀧本裕子さんはベートーベン「月光ソナタ」、金谷さんとフルート奏者の岡本万貴さんのユニット「黒江万金堂」は武満徹「海へ」、きのくに音楽祭プロデューサーでピアニストの宮下直子さんがプロコフィエフ「つかの間の幻影」を初版譜を基に演奏する。

 第3部は「ムソルグスキー生誕に寄せて」。バッハと同じ誕生日のロシアの作曲家の代表作、組曲「展覧会の絵」を碇(いかり)理早さん、上野絵里子さん、瀧本裕子さん、山名さん、宮下さんの5人のピアニストで弾きつなぐ。

 実行委の宮下さんは「一日でこれだけの曲が聴けるのはあまりないプログラムです。10月のきのくに音楽祭への関心が高まることにもつながれば」、「和歌山ライブの歩き方」編集局長の岩橋和廣さんは「連載を読んでもらっている人に、書いている人の演奏を聴いてもらう機会です。音楽への理解が深まるとうれしい」と話し、来場を呼び掛けている。

 入場には1000円以上の寄付が必要。申し込みは25日午前10時から電話でフォルテワジマ(℡073・488・1900)へ。定員先着200席、1人4席まで。申し込み時に伝えられる予約番号を、当日の会場で確認する。

「楽しいクラシックで音楽への理解を深めて」と実行委員会メンバー

「楽しいクラシックで音楽への理解を深めて」と実行委員会メンバー

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