地域の防災力強化へ貢献 近大に消防団結成

近畿大学生物理工学部(和歌山県紀の川市)の学生らによる消防団が結成されることになり、4日に同大で記念式典と初訓練が行われた。

全国的に消防団員が減少する中、大学構内や周辺地域での消防活動に取り組んでもらおうと、昨年6月から大学が学生や職員に参加を呼び掛け、13人(男子学生6人、男性職員7人)で「近畿大学消防団」が結成されることになった。今後は消防署や警察と連携し、防災活動を行う。

結成式で井尻智久市消防団長は全国の消防団員が年約5000人のペースで減っているとし、「危機的な状況だ」と強調。同大消防団の結成に「感無量だ。学生と職員の皆さんの混成も素晴らしい。全面的にサポートするので心配せず活動してください」と呼び掛けた。

梶山慎一郎学部長は「根来断層に近く、大学までの道路のアクセスも良くない」と話し、災害時に救援の到着まで時間がかかる可能性があることにふれ、「(先輩団員の皆さんに)アドバイスを頂きながらキャンパス周辺の防災に取り組んでほしい」と期待を寄せた。

団員を代表し、大学院生物理工学研究科博士課程3年の十川太輔さん(27)が井尻消防団長から辞令を受け取った。キャンパスの広場では市消防団から消防ポンプや発電機、救助工具、車両などが貸与され、学生らは団員のアドバイスを受けながらホースを使った放水訓練を体験した。

積極的にボランティアに取り組んでいるという十川さんは「大学から声を掛けられてすぐに決めました。訓練には毎回必ず参加し、いざというときに手助けができる存在になりたいです」と話していた。

放水訓練を体験する学生たち

放水訓練を体験する学生たち

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