思いこもった郵便物を供養 紀三井寺で法要
宛て名や差出人の記載が不十分などの理由で配達できなかった郵便物などを供養する「文供養会」が6日、和歌山県和歌山市の紀三井寺で行われた。
文塚供養奉賛会(島本敏夫会長)が主催。1967年に迷い子郵便供養会として始まり、94年からは受け取り人のところに届いた郵便物の中で、特に思い入れがあるものも一緒に供養することとし、名称を「文供養会」としている。ことしは事前に約1500通の郵便物が寄せられたという。
同寺の前田泰道貫主を導師に、境内の石碑「文塚」の前で法要を実施。祭主を務めた島本会長は年賀状を出す人が減っている現状にふれ、「元日に自分の思いを形にして伝える文化が少しずつ失われている」と残念そうな表情で語り、「いろいろな思いを届けてくれた手紙に感謝し、人の心をつなぎ安らげる手段として郵便が利用されることを切に願う」と話した。
日本郵便㈱が昨年度実施した「第51回手紙作文コンクール」の絵手紙部門で日本郵便賞を受賞した小畑優季さん(県立和歌山北高卒)が「たくさんの手紙が桜の木の下で安らかに眠ることをお祈りします」との供養文を読み上げた。
僧侶らが般若心経を唱える中、郵政関係者らが持参した郵便物を火の中に入れる「おたき上げ」が行われた。
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