護摩祈祷と尺八演奏 粉河の長壽寺で観桜会

和歌山県紀の川市粉河の慈眼山長壽寺(佐々木玄峯住職)で4日、毎年恒例の観桜会があり、僧侶による護摩祈祷や尺八の演奏などが行われた。

真言宗山階派に属する同寺は約30年にわたり住職不在となっていたが、2013年に東京都内の同じ山階派の寺で住職を務める佐々木さんが兼務することになり、草木が生い茂っていた敷地内を僧侶仲間らと整備。石畳を敷き、芝桜も植えた。敷地内にある吉野桜が満開となる時期に観桜会を開くようになり、今回が5回目。

この日は午後7時ごろに佐々木住職をはじめ山伏姿の僧侶らがほら貝を吹きながら集まり、太鼓の音が響く中、般若心境を読経。毎年この日限定で本堂に安置される飯縄(いづな)大権現の像も現れた。僧侶らは「南無飯縄大権現」と唱えた他、地域住民らの家内安全や商売繁盛などを祈った。

佐々木住職は桜が夜空に映える景色を眺めながら「初めてこの寺に来た時は荒れ果ててしまいジャングルのようだったが、今は桜も庭もものすごくきれいでまるで京都のようだ」と感慨深げに話し、地元住民らを前に、「つらい悩みも良いことも本尊の阿弥陀如来様に報告していただけたら」と呼び掛けた。

祈祷の後は尺八奏者で大阪芸術大学講師の泉川獅道さんによる演奏が行われ、中島みゆきの「糸」や美空ひばりの「川の流れのように」など約10曲を次々に奏で、訪れた人たちから大きな拍手が起こっていた。

護摩祈祷を行う僧侶ら

護摩祈祷を行う僧侶ら

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