智弁がサヨナラV 市高あと一死で逆転許す

2019年度春季近畿地区高校野球大会県予選の決勝が12日、和歌山県和歌山市の紀三井寺公園野球場であり、智弁和歌山が8―7で市和歌山に競り勝ち、6年連続13回目の優勝を決めた。2点を追う9回裏2死無走者から4番・徳丸、5番・東妻の2者連続本塁打で追い付き、延長10回裏に細川が中前にサヨナラ打を放ち激闘に終止符を打った。市和歌山は中盤に4点差をひっくり返すなど意地を見せたが、あと一歩及ばなかった。

◇決勝

市和歌山 1 0 0 1 1 4 0 0 0 0 7
智弁和歌山 1 0 4 0 0 0 0 0 2 1x 8

(延長10回)

〔市〕柏山、近藤、小園、岩本―米田〔智〕小林樹、池田陽―東妻▽本塁打=徳丸、東妻(智)▽2塁打=山野、上原、片上、米田(市)黒川、小林樹(智)

智弁は1―1の同点で迎えた3回裏、東妻の左前適時打で1点を勝ち越すと、2死満塁から8番の小林樹が走者一掃の適時2塁打を放ち、5―1とした。中盤は市和歌山の猛反撃に遭い6点を失い、2点差で9回へ。2死を奪われた後、それまで無安打だった4番の1年生・徳丸が中堅フェンス直撃の当たりを放ち、フェンスに激突した市和歌山の中堅手がその場にうずくまる間に一気に生還。続く東妻が中越えに起死回生の同点弾を放り込み、土壇場で試合を振り出しに戻した。延長10回裏は市和歌山の守備の乱れと安打で無死満塁とし、2番の細川が二遊間を破るサヨナラ打を放った。

投手陣は選抜大会の明石商業戦で好投した小林樹斗が先発。速球と打者の手元で鋭く落ちるフォークで大量得点は許さず、5回3失点で試合をつくった。2番手の池田陽は代わった6回に一挙4点を奪われるも、粘り強い投球で7回以降は零封した。

中谷仁監督は「9回は主将の黒川をはじめ選手が『まだや、まだや』と声を出し(逆転の)空気をつくってくれた。徳丸の1本が東妻に火を付けたと思う。市和歌山の畳み掛ける攻撃は手ごわかったが、よく粘ってくれた」と選手をたたえ、同点弾を放った東妻は「後ろにつなごうと思っていた。2球連続で変化球がボールになったので真っすぐ一本に絞った。打った瞬間、スタンドに入ったと思いました」と振り返った。

市和歌山は2点を追い掛ける6回表、2安打と四球で1死満塁とし、6番の片上が走者一掃の適時2塁打を放ち逆転。米田も適時2塁打で続き2点差をつけたが、7回以降立ち直った池田陽を攻めあぐねた。投手陣は、3番手で登板した1年生右腕の小園が速球を武器に2回無失点の好投を見せるなど中盤は智弁打線を苦しめたが、7回から登板した主戦の岩本が打ち込まれた。

半田真一監督は9回裏の守りについて「本塁打だけは避けないといけなかった。あそこで打つ東妻君はすごい」と話し、「終盤に追加点を取れないうちの課題がきょうも出た。テンポの良さは岩本の武器だが、もう少し一球一球慎重に投げても良いのではと感じる投球だった」と振り返っていた。

閉会式では愛須貴志県高野連会長から智弁の黒川史陽主将に優勝旗が手渡され、市高の米田航輝主将に表彰状が贈られた。優勝した智弁は、25日に奈良県で開幕する近畿大会に出場する。

◇準決勝(11日)

海南 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1
市和歌山 0 0 0 0 0 2 0 0 x 2

〔海〕森―井口〔市〕柏山、岩本、小園―米田、松川▽本塁打=下井田(市)

智弁和歌山 0 0 0 0 0 0 4 0 0 4
チーム名 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

〔智〕矢田、中西、山本―東妻〔桐〕坂口―花田▽2塁打=黒川(智)

延長10回裏、智弁・細川が中前にサヨナラ打を放つ

延長10回裏、智弁・細川が中前にサヨナラ打を放つ

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