血圧低下に「うめ効果」 中野BCが発売

和歌山県海南市藤白の大手酒造メーカー中野BC(中野幸治社長)は1日、機能性表示食品「うめ効果」を発売する。表示は、梅果汁を煮詰めた「梅エキス」が肥満気味の人の血圧を下げるとの効果が、臨床試験で世界で初めて確認されたことによるもの。同商品の開発は、現代の健康志向の高まりに合わせ、梅の一大産地である県資源の活用拡大にも寄与することが期待される。

「うめ効果」は県産の南高梅のみを使用し、果汁を水分20%まで煮詰めた液体で、一日の摂取目安量3㌘当たり1・1㌘のクエン酸を含むのが特長。湯や水で薄めるなどして摂取する。

梅果汁の全国シェア80%を誇る同社は1999年に梅の研究を始め、各種の「梅エキス」関連商品を手掛けてきた。今回開発された商品は、血圧を下げる効果があるとされるクエン酸の一定量の規格化に成功。科学的根拠を基に、商品パッケージに健康効果を表示できる食品として、届け出が消費者庁に受理された。

臨床試験は高血圧予備軍の「正常高値血圧」の人と、血圧の高い「1度高血圧」30~70歳未満の男女80人を対象に実施。うちBMI(肥満度)の数値で肥満気味とされる人に着目したところ、「うめ効果」を12週間飲み続けた人は、飲んでいない人に比べて下の血圧が5mmHg下がるとの研究結果が得られた。

約20年、梅エキス関連商品に携る同社通販部の前田佳嗣部長(54)は「健康に役立つ食品作りの取り組みの中で、今回の開発は梅を深掘りした成果であり完成形の一つ」と話す。

今後は、より健康効果の得られる継続摂取のしやすい粒状タイプや、ドレッシングやドリンクなどへの活用レシピの開発などに注力し、3年後に3億円の売り上げを目指すとしている。

同商品は90㌘入り1瓶が3600円(税別)。

同社オンラインショップ(https://www.genkinokuni.jp/)、社内売店「長久庵」、楽天市場などで販売する。

クエン酸一定量が規格化された梅エキス

クエン酸一定量が規格化された梅エキス

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