悔しさ知ると強くなる 智弁・髙嶋氏が講演
第121回和歌山放送情報懇談会が9日、和歌山県和歌山市湊通丁北のホテルアバローム紀の国であり、智弁和歌山高校野球部前監督の髙嶋仁さん(73)が選手の育て方や強いチームのつくり方について講演し、約80人が聴き入った。
髙嶋さんは智弁学園高(奈良)の監督として同校を甲子園4強に導いた後、1980年に智弁和歌山に着任。当時の野球部について「選手は野球未経験の3人しかおらず、ウオーミングアップで100㍍ダッシュ100本を命じたら翌日部員が1人も練習に来なくなった」「県内でも強くないチームを探し練習試合を申し込んだが断られ、悔しくて和歌山のチームに負けるかと思った」と振り返った。
「強いチームをつくるには技術力、精神力、体力の3要素を鍛える必要がある」と話し、最優先で強化すべきは体力と強調。夏の和歌山大会と甲子園で勝ち続けるために走りこみや筋力トレーニングなどで体力を養ったとし、「体力づくりの過程で精神力も鍛えられる。甲子園で優勝するために日本一の体力づくりをやってきた」と話した。
強打の伝統で知られる同校。髙嶋さんは「ガンガン打って相手をねじ伏せるチームをつくりたかった」と話し、打撃練習では、「左投手」「変則的なフォームのピッチャー」「自分の苦手なゾーン」などを想定しながらバットを振るよう指導してきたと説明した。
高校球児の育て方については「高校生の秘めたる力はすごい。悔しさを知ると監督の教えを受け入れ、自ら努力するようになる」。選手に悔しさを感じてもらう方法として、実力が上のチームと練習試合を行い、敗戦を通じて相手との実力差を知ってもらうことが有効だとした。また「人が人を動かすのに一番大事なのは言葉」として、指導者が言葉の使い方について学ぶことの重要性を強調した。
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