文化芸術は世界との対話促す 県内でICOM京都大会の行事

浮島 智子

約140カ国・地域の代表で構成され、世界の博物館関係者が集う「第25回ICOM(国際博物館会議)京都大会」が今月1日から7日まで国立京都国際会館をメイン会場に開かれ、日本初開催となった今大会には、国内外から過去最多の4590人の博物館関係者が一堂に会し、世界規模での博物館の意義・役割などについて活発な議論が展開され、博物館の未来について考える素晴らしい機会となりました。
ICOMの大会は、今から約11年前の2008年6月、私が参議院議員のときの参議院文教委員会で「国際博物館会議の世界大会を誘致し日本で開催すべき」と提案し、2015年に京都大会が決定してから地元の皆さまとつくり上げてきた私にとっては、11年を経てようやく夢がかなった気持ちでありました。ご尽力いただきました関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。
9月2日に行われました開会式は、秋篠宮ご夫妻が出席され厳かな空気のなか、秋篠宮さまがごあいさつの言葉を述べられました。
2日から4日までは、さまざまな企画が続き、博物館セキュリティ国際委員会では東京富士美術館におけるおもてなしセキュリティの取り組みを、さらにICOMを記念する同美術館所蔵「百花繚乱 ニッポン×ビジュツ展」(京都文化博物館)ではあまりの素晴らしさに感動で胸がいっぱいになりました。会議後には日本の舞台芸術をお楽しみいただけるよう、能楽堂にて能の観賞などソーシャルイベントも行われました。
さらに二条城で行われました「時を超える:美の基準展」ではごあいさつをさせていただきました。プレナリーセッション「被災時の博物館―文化遺産の保存に向けた備えと効果的な対応」や、国宝・重要文化財を中心とした文化財(美術工芸品)の保存修理を専門的に行っている修理技術者の「国宝修理装潢師連盟」加盟の皆さまらが保存修理事業を行っている「京都国立博物館文化財保存修理所」を視察し、現場のお声をお聞き致しました。その後、文化庁の全面的な京都移転に先立って2017年4月に京都東山に設置されました「文化庁地域文化創生本部」にて、同本部と東京の文化庁のオフィスをつないでテレビ会議を行いました。
5日には、本会場の外でミーティングを行うオフサイトミーティングを和歌山市内で行い、文化財を災害・盗難から守るために和歌山県立博物館と県立和歌山工業高校が連携した3Dプリンターで仏像レプリカを作る取り組みや、日本初、世界初とも言うべき「触って読む図録」の紹介、そして「世界津波の日」高校生サミット2018に参加した県立串本古座高校・県立耐久高校の生徒の皆さんの取り組み発表等々が行われました。6日には、ICOMエクスカーションで高野山を訪れた海外の皆さんを和歌山大学観光学部の方々がボランティアでお迎えいただきました。私も開会式以来、5日間ほぼ終日、お供させていただきました。
文化芸術には国境はなく、世界の人々との対話を促す力があります。これからも日本の文化芸術を世界に伝え、友好の輪を築いていきたいと思います。

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