和歌山市消防が特別査察 高齢者等防火週間で

 高齢者等防火推進週間(13~19日)を中心に、和歌山市消防局は、高齢者福祉施設の防火設備や管理状況などを点検する特別査察を行っており、11日は和歌山県内唯一の聴覚障害者向け住宅型有料老人ホーム「きのくにの手」(加納、櫻井貴浩施設長)を訪れた。

 2006年に長崎県大村市の高齢者グループホームで入居者9人のうち7人が死亡した火災を教訓に、和歌山市は翌07年から敬老の日を含む1週間を「高齢者等防火推進週間」とし、防火管理体制の点検や指導を集中的に実施。年間を通じて市内の高齢者福祉施設354カ所全てを点検するうち、昨年の同週間には65施設を訪れた。

 「きのくにの手」には東消防署と消防局から職員4人が訪問。2階建ての施設内に設置された火災警報の受信機や消火器、消火栓、スプリンクラーに水を供給するポンプ室などを見て回り、避難経路に障害物がないか、カーテンが防炎素材になっているかなども点検した。

 聴覚に障害がある入所者のため、同施設にはベッドの振動や光の点滅で火災などの危険を知らせる装置も備えられており、消防職員は櫻井施設長らの案内を受けて確認した。

 東消防署の浦恭介予防班長は「設備に問題はなく、訓練も行われている。今後も防火に十分気を付けてもらいたい」と講評。櫻井施設長は「施設にとって火災は本当に怖い。消防に確認していただき安心したが、今後も問題がない状態を続けていけるよう、改めて職員みんなで注意していきたい」と話していた。

消火栓を確認する消防職員

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