李登輝の半生たどる 園田監督迎えて上映会

 台湾民主化の父、李登輝元総統の激動の半生を描いたドキュメンタリー映画「哲人王~李登輝対話篇~」の上映会が9月30日、園田映人監督を迎えて和歌山市議会で行われ、約100人がその歩みにふれた。

 自民党市議会が主催。李登輝は血を流すことなく独裁国家だった台湾を民主化し、「Mr・デモクラシー」と評される現代台湾の偉人。

 昨年9月、第39回国連人権理事会サイドイベントで短縮版が上映され、主にアジア諸国のNGO代表や政府系職員に大きな衝撃を与えた。11月にはロサンゼルス・ニューヨークで劇場公開され、第91回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門の正式審査作品となった。日本ではことし6月に東京・大阪で上映され、反響を呼んだ。

 同作は、日本の女子学生・まりあ(桃果)と台湾元総統である李登輝の精神の交流を描いた作品。1895~1945年の日本統治時代以降の台湾近代史と、李登輝の歩みに迫っている。

 上映を前に、園田監督は「政治に関わる人にこそ見てほしい作品。政治を行う人が実際に変革し民への思いを強くしてアクションを起こすことが政治を劇的に変えるには必要。作品を見てもらい可能性の大きさに気付いてほしい」とあいさつした。

 また同作がきっかけとなり、李登輝をノーベル平和賞に推薦する活動「李登輝ノーベル平和賞推薦委員会」を立ち上げた近藤郁子事務局長も参加し、ノーベル平和賞に向けた署名への協力を呼び掛けた。

あいさつする園田監督

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