売り手市場で採用難 高校生向け説明会に60社

 県経営者協会主催の「高校生のための合同企業説明会」が17日、和歌山市手平の和歌山ビッグ愛で開かれ、高校生らが企業の採用担当者から事業内容や求める人材などについて説明を受けた。企業の採用意欲が高く、高校生の就職が売り手市場といわれる中、会場では採用担当者から応募の少なさを訴える声が聞かれた。

 和歌山県内に本社や拠点を置く企業を中心に約60社が参加。約70人が企業ごとに設けられたブースで、気になる点について積極的に質問していた。

 和歌山下津港を拠点とする港湾運送業の㈱新栄組(和歌山市)は、ことしの採用活動から訪問する高校の数を増やし、同市だけでなく有田市や橋本市などの高校も訪れ、積極的にPRしているという。久保勝義経理部長は「高校の先生から、就職が決まっている生徒も多いと聞いている。橋本の辺りは奈良の企業に就職する高校生もおり、なかなか難しい」と話し、募集中の現場作業員について「20~30代が少なくしっかり技術を継承していくためにもぜひ採用したい。休みを増やし働き方改革も進めている。大型機械を扱えることをアピールしたい」と力を込めた。

 訪問看護ステーションや特別養護老人ホームなどを展開する社会福祉法人紀三福祉会(和歌山市)の明嵜真子事務局長は、新卒採用について「応募が少なく年々人材が集まらなくなっている。特に福祉業界は厳しいのでは」と表情を曇らせる。職場の雰囲気を広く知ってもらうためにフェイスブックで積極的に情報を発信しているいう。ブースを訪れた高校生からは「就職するまでにどんな資格を取っておけば良いか」など、前向きな質問も寄せられたという。

 参加した県立和歌山工業高校3年の男子生徒は「学校で学んだ建築の知識を生かせる仕事に就けたらと思っています。多くの会社の話を聞けて視野が広がりました」と話していた。

採用担当者が自社の魅力をPR

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