駅のベンチに温もり 那賀高生が座布団寄贈

 和歌山県立那賀高校(岩出市高塚)の生徒14人は29日、授業で製作した「刺し子座布団」を、同市高塚のJR岩出駅に寄贈した。

 同校では教育目標の一つに「地域貢献する那高生」を掲げ、約10年前から「生活文化」の科目で製作を実施している。

 生徒は8月末から授業や放課後の時間を使い約10時間かけて製作。「かんざし」「リス」「ウサギ」「手まり」など14種類の個性ある刺し子のデザインを考案・作成した。作った刺し子を最終的に一つの座布団へと完成させた。

 同駅で行われた贈呈式では、生徒が大きな刺し子座布団を「どうぞ使ってください」と手渡し、受け取った㈱JR西日本メンテック和歌山駅営業ステーションの偉士大直樹さんは「ありがたい気持ち。地元の人が多く利用するので座ってもらいたい」と感謝を伝えた。

 同校3年の津守琳加さん(17)は「自分たちの作ったものが岩出市の皆さんに使ってもらえるのはうれしい。座りながら模様にも目を向けてもらい、温かい気持ちになってもらえれば」と話した。

 同校は「取り組みを通じて協力することや完成させる喜び、達成感を体験し、将来の進路や生活に役立て、地域に貢献する態度を養いたい」としている。

刺し子座布団を贈る生徒ら

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