県内観光入込313万人 梅雨や台風で減少

 ことし7、8月の2カ月間に和歌山県内7カ所の主要観光地を訪れた観光客数は312万6500人で、昨年より5・1%減少したことが県観光振興課のまとめで分かった。お盆期間に上陸した台風10号によるイベントの中止、延期をはじめ、夏季全体を通じて天候の影響を大きく受けたことが響いた。

 調査したのは、和歌山市、高野町、田辺市龍神村、同市本宮町、白浜町、那智勝浦町、串本町の7カ所。宿泊客は前年比5・7%減の82万2400人、日帰り客は4・9%減の230万4100人だった。

 観測史上最も遅かった梅雨入り(6月27日ごろ)や、例年より遅れた梅雨明け(7月24日ごろ)、夏季を通じてみられた天候不順の影響を受けた他、台風6号が7月27日に、10号が8月15日に日本に上陸。特に観光客の入り込みが最も期待できるお盆期間に襲来した10号により、各地のイベントは中止や延期を余儀なくされ、観光客数減少の要因となった。

 地域別で見ると、田辺市本宮町が7カ所の中で唯一増加。台風上陸や天候に恵まれない日が多かったこと、河川の防災工事によりキャンプ場利用が大きく減ったことなどから、宿泊客数は11・8%減少した一方、「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産登録15周年を迎えたことなどから、熊野本宮大社や世界遺産熊野本宮館の観光客が増加し、日帰り客は20・4%の増加となった。

 減少幅が最も大きかったのは那智勝浦町で、全体で37・8%減。宿泊施設の休館や耐震工事に伴い収容数が前年の6割程度だったことなどが影響し、宿泊客数は40・7%減った。日帰り客も、台風などに加え町花火大会が延期されたことなどが影響し、35・5%の減少だった。

 和歌山市は全体で2・0%減の135万8000人。スポーツ関連の大会や合宿の開催、宿泊施設の増加などにより、宿泊客数は5・9%増となった一方、台風や天候の影響により海水浴場利用者が減少したことなどから、日帰り客数は3・2%減った。

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