声で伝える愛の物語 和佐小で平松組が朗読劇

 和歌山県和歌山市出身で脚本、演出家の平松豊司さん率いる「平松組」の朗読劇「RICKEY」が28日、市立和佐小学校(禰宜、塩谷通功校長)で上演された。

 2003年から始まった命の大切さを伝える「Dog′s」シリーズの4作目。養護盲老人ホーム喜望園(同市楠本)での公演を前に、同校が初演となった。イヌのリッキーは動物保護施設に収容された恋人のイヌを助けるため、死神との取り引きで人間の体を得る。看護師やヒグマの力を借りて、リッキーは困難に立ち向かっていく、という話。

 演者の声と言葉、キーボードのメロディーと効果音と音声で愛と勇気の物語を表現。人の言葉が話せない代わりにジェスチャーで懸命に説明しようするリッキーの姿に児童は笑い、自分を捨てた飼い主へ「もう一度君のそばにいたい」と思いを語るシーンになると、児童は引き込まれるように舞台を見つめていた。

 観劇した4年生の江川太袈君(10)は「初めは面白かったけど、最後のところは悲しかった。おばあちゃんの家にイヌがいるので、仲良くしようと思った」、平松さんは「子どもたちも最後まで楽しんでくれた。イヌと人との関わり方とともに、諦めないで最後まで頑張れば願いはかなうということが伝わっていれば」と話していた。

笑いと涙の朗読劇を披露するメンバー

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