10業者が自治会長に現金 県発注工事の調査
和歌山県和歌山市芦原地区の連合自治会長、金井克諭暉(よしゆき)容疑者(63)が市発注の公共工事の落札業者から協力金名目で現金をだまし取ったとされる詐欺事件を受け、県は11月29日、同地区や周辺での県発注工事についての調査結果を発表。10業者が金井容疑者に現金を寄付していたことなどを明らかにした。
県は2014年度から本年度までを対象とし、31件の工事について海草建設部の課長やグループリーダーら職員36人と25業者に聞き取り調査を実施。調査の結果、31件のうち22件で県職員と業者が一緒に金井容疑者のもとへあいさつに行っていたことが分かった。不当な要求を受けたとの相談が業者から県職員に寄せられるケースはなく、金井容疑者の妻が経営するスナックのパーティー券を県職員が販売したり、購入したりすることはなかったという。
また、25業者のうち10業者が金井容疑者に現金を寄付。30万円を寄付した業者もあった。調査対象業者のうち2業者は金品などを支払うことはなかったが、不当な要求を受けたと感じたという。
県は再発防止に向け、業者に対し工事の施工を前提として自治会や自治会長に金品を提供しないよう周知し、工事着手時に説明が必要な場合は業者を同行させないよう組織内で徹底するとしている。
記者会見した松諭県土整備部長は「一定程度(問題の)整理はできた。今後新しい事実が発見され、必要であれば追加で調査を行いたい」と話していた。
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