行政の私物化追及 立憲の福山幹事長語る

 立憲民主党の福山哲郎幹事長(57)が11月30日、同党県連の定期大会に出席するため来県し、和歌山市内でわかやま新報などのインタビューに応じた。

 ―安倍首相の通算在任期間が憲政史上最長となった。これまでをどう評価するか。

 成果がない長期政権だ。実質賃金は上がらず、地方も活性化していない。国民の間に格差と分断が広がっている。北方領土や北朝鮮による拉致の問題も全く進展していない。

 ―臨時国会では首相主催の桜を見る会を巡る疑惑などについて追及している。

 (安倍政権を)象徴する国会になっている。桜を見る会の問題は行政の私物化の象徴だ。前夜祭の金額や推薦枠の大きさなど全く何も明らかになっていない。安倍首相に国会へ出てきて説明責任を果たすよう求めていきたい。

 ―岩手や埼玉の知事選では野党が互いに協力し勝利につなげた。今後の野党関係はどう考えているのか。

 長期政権が続いている最大の原因は野党が弱いからだ。野党が国会内で大きな共同会派をつくり安倍政権に対峙していることが成果につながっている。立憲民主党の理念や政策を大切にしたいという思いは変わらないが、(次の国政選に向け)野党共闘の形をいかにつくっていくかは大きなポイントになると思っている。

 ―日韓関係の現状をどう見るか。

 GSOMIA(軍事情報包括保護協定)の継続に向け政府がぎりぎりの調整をしたのは評価したい。日韓関係が崩れたら北朝鮮や中国を利するだけだ。関係改善には主張だけでなく自制も必要。対話のルートを何本も持つことが大事だ。

 ―安倍首相は憲法改正に強い意欲を示している。

 憲法は国民の声があって初めて改正できる。自民党が提示した改憲4項目について国民の共感はまったく広がっていない。われわれは憲法改正の議論自体は否定しないが、国民生活の分断や地方の活性化、大学入試の共通テストなど、他に優先して議論すべき問題があるのではないか。

 ―和歌山県での党勢拡大をどう進めていくか。

 「和歌山は自民党が非常に強い。県連の設立に(他と比べて)若干時間がかかり、自治体議員の数もまだまだ少ないが、われわれが掲げるボトムアップの政治を理解し応援していただける方は県内にもたくさんいると思う。(国政選挙の)候補者を発掘していくことが重要で、現在一つひとつの面接を積み上げている状況だ。支援者を増やしていけるように党本部としても支援していきたい。

本紙のインタビューに答える福山幹事長

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