医療・介護で連携を 山東省と関西企業ら交流

 和歌山県と友好提携締結35周年を迎えた中国・山東省と関西地域の交流を図る「中国山東対話日本関西交流イベント」が4日、大阪市内のホテルで開かれた。ビジネスなどの相互協力を深める目的で、県内を含む両国の企業、行政関係者ら300人以上が出席。特に医療・介護分野での関係強化に向け、12の合意や覚書の調印、「日中健康介護協力プラットフォーム」の設立発表などが行われた。

 山東省人民政府と中国駐大阪総領事館が主催。式典では、中国側から省トップの劉家義・中国共産党省委員会書記や李天然駐大阪総領事、日本側からは三田勝久大阪府議会議長、浅田隆司日中経済貿易センター理事長らがあいさつした。

 劉書記は、遣隋使など古代から続く関西と山東の交流の歴史から、和歌山県との35年にわたる友好提携など近年の協力関係にふれた上で、大変革期を迎えた現在の世界情勢の中で「中日両国はより多くの共通の利益、関心事を持つことになる」とし、産業をはじめ各分野で「ウィンウィンの新たな関係を切り開き、経験を生み出していきたい」と相互交流の発展を呼び掛けた。

 プレゼンテーションが行われ、医療・介護分野での両国企業の連携を進めていくため、山東省内の済南市、青島市、煙台市にある自由貿易試験区や大阪府、神戸市、中国で事業展開する日本の健康関係企業らが、それぞれの取り組みや将来の展望をPRした。

 同省側は、人口約1億人のうち60歳以上が2239万人に上り、高齢者人口が最も多い省であること、医療サービスや健康福祉などの産業育成を進め、巨大市場を有することなどを紹介し、関西企業からの積極的な投資を求めた。

 さらに、両国の企業や団体間で、業務提携や戦略協力の合意など12の協力プロジェクトの調印が行われ、「日中健康介護協力プラットフォーム」の設立が宣言された。

 式典後、医療・介護分野の商談会に移り、県内を含む関西の90事業者が、同省の企業の担当者らと話し合い、双方にメリットのある医療・介護ビジネスの在り方などを巡って意見交換した。

劉書記(後列中央)らが立ち会い、医療・介護分野の合意・覚書が調印された

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