30年間の集大成 森さんフラメンコ記念公演

フラメンコアカデミア「ラ・ダンサアンダルシア」を主宰し、世界各地で活動するフラメンコ舞踊家の森久美子さんが22日、和歌山県和歌山市紀三井寺のデサフィナードで、30周年記念公演「ペーニャ・デ・和歌山『私のフラメンコ道』」を開催。30年間の集大成ともいえる情熱的な踊りを披露した。

和歌山の熊野古道とスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼道が「祈りの道」として、ともに道の世界遺産に登録されていることから、森さんは生まれ育った和歌山とフラメンコの本場スペインとの橋渡し役として、踊りを通じて文化の振興に努めてきた。

同公演のテーマは「~祈り~」。盛況のうちに終えた11月17日の大阪公演「サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼道」、同24日の東京ライブ「高野・熊野参詣道」に続き、千秋楽となる和歌山の舞台はフラメンコに導かれてから30年の歴史の集大成。「フラメンコの神様」に奉納する祈りを込めて全身全霊で踊った。

公演は、喜びを意味し明るく活発なフラメンコの名曲「アレグリアス」で始まった。森さんと長女の山西沙也香さん、次女の知念響さんとの親子共演が実現し、ギターの音色に、切なさと力強さが混在した歌声に合わせて3人が喜びを踊りで表現し、見事な伴奏が会場内に響き渡り、会場内は熱気に包まれた。

フラメンコの母と呼ばれ、女性の動きを表現する森さんのソロ舞踊「ソレア」、ラストも再び親子で共演し、迫害されてきたジプシーの苦悩や苦しみを表現した「マルティネーテ」の踊りで観客を魅了し、フィナーレを飾った。

来場した尾花正啓市長は「質の高い文化を育ててもらい大変うれしい。2021年には国民文化祭も控えており、フラメンコを発信し和歌山とスペインの架け橋となる森さんにこれからも活躍していただきたい」と話した。

森さんが全身で哀愁を表現

森さんが全身で哀愁を表現

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