朱と黒の伝統美 根来寺根来塗の作品展

和歌山県の伝統工芸「根来寺根来塗」の塗師で昨年12月に文化庁長官表彰を受けた岩出市の池ノ上辰山(しんざん)さん(60)と、直弟子の作品展「根来寺根来塗 宗家 池ノ上辰山展 根来の朱と黒―辰山と直弟子たち―」が8日まで、和歌山市友田町の近鉄百貨店和歌山店5階画廊で開かれている。

根来寺根来塗は「中世最高の漆物」と呼ばれており、角が欠けにくく、沸騰した湯もじかに入れることができる。池ノ上さんは岩出市を拠点に根来寺根来塗の保存・伝承に取り組んでいる。

展覧会は毎年この時期に開かれており、今回は辰山さん、直弟子の松江那津子さん(38)、池上和慶さん(28)が昨年1年間に作った箸やわん、重箱、盆など約600点を展示・販売している。作品の色は朱と黒で現在使われている元号「令和」の2文字を入れた作品もある。

池ノ上さんは「根来寺根来塗は表面にはけ目があり傷が傷に見えないのも特長。ぜひご自身の目でさまざまな作品を見ていただき、根来寺根来塗のことを知っていただけたら」と魅力を語り、日本酒などを入れて飲むための容器「豆子」(ずつ)を買いに訪れた和歌山市の崎本和宏さん(42)は「根来寺根来塗ははけ目があって色がとても鮮やか。生活のいろんな場面で使えるのも魅力です」と話していた。

午前10時から午後7時(最終日は午後4時)まで。

訪れた人に作品を解説する池ノ上辰山さん㊧

訪れた人に作品を解説する池ノ上辰山さん㊧

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