ナッジアンバサダー就任 近大の谷本准教授

環境省が推進するプロジェクトの一つ「ナッジ」のアンバサダーに、近畿大学生物理工学部(和歌山県紀の川市西三谷)人間環境デザイン工学科の谷本道哉准教授(47)が選ばれ、昨年末に東京都霞が関の同省で小泉進次郎大臣から任命を受けた。谷本准教授はNHKの人気番組「みんなで筋肉体操」を監修。自らも出演し「あと5秒しかできません」「やり切る」などの名せりふで、筋トレファンに負荷だけでなく「あと一回」の勇気を与えている。

同番組は俳優の武田真治さんの他、筋骨隆々のマッチョ集団が出演。「筋肉は裏切らない」を合言葉に、腕立て伏せやスクワットなど、道具を使わずに自宅でテレビを見ながら出演者と汗を流す5分間の筋トレ番組。

ナッジは「そっと後押しをする」を意味する行動経済学の用語。アメリカの行動経済学者のリチャード・セイラー氏が提唱し、「人々が自分自身にとってより良い選択を自発的に取れるように手助けする政策手法」を言う。

谷本准教授によれば、「男性トイレで的を目掛けて用を足すこと」や「駅の階段を上れば○㌔㌍」などの表記もナッジの一種だという。後押しをしながらも各人の自主性に委ねるのが特徴だ。

筋肉体操の声掛けにナッジの要素があり、ナッジ普及の功績が評価されての就任となった。今後は自らが広告塔となり、ナッジの適切な活用などを推進する。

谷本准教授は大阪大学工学部を卒業後、大手建設コンサルタントに入社するも退職。東京大学大学院に進み、修了後は国立健康・栄養研究所特別研究員、東京大学学術研究員、順天堂大学博士研究員などを経て現職。

「筋トレは娯楽」と話す谷本准教授は、自身も、しなやかな筋肉の持ち主。「子どもの頃から気付けば筋トレをしてきた」といい、普段から研究を兼ねてトレーニングは欠かさない。「浅いスクワットは浅はかなスクワット」とやり切ることを常に目指し、研究にも全力投球。

「ごまかさない筋トレが大事。意外と、きちんとした筋トレができていない人が多い」とし、自分のフォームを鏡や動画で確認するのも有効で、くじけそうになった時にはポジティブな声掛けが必要だとアドバイス。

「筋トレでも運動でもモチベーションに左右されずにやり切ることが大事。筋肉痛は慣れるが、いきなりやると負荷がかかる。徐々に慣らすために、始めるときは張り切り過ぎず、少しずつやってください」と話している。

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