温かい思いを言葉に バレンタイン短歌表彰

紀伊万葉ネットワーク(村瀬憲夫会長)が主催する第4回「バレンタインにおくる短歌」の表彰式が11日、和歌山市紀三井寺の南コミュニティセンターであり、入賞者16人のうち出席した10人が表彰された。新元号「令和」の出典が『万葉集』であったことから、古典への理解にも関心が高まる中、ことしも大切な誰かを思う心温まる歌が多く寄せられた。

万葉集の魅力や短歌を詠む楽しさを知ってもらい、若い世代にも引き継ごうと毎年実施。バレンタインにちなみ「あなたにとどけ! ワタシの想い ボクもとどけよう! 君への想い」をテーマに、中高生を対象に、恋人や友人、家族へ届けたい思いを詠んだ歌を募集したところ、13校から1316首の応募があった。本紙歌壇選者の唐津麻貴子さん、村瀬会長が審査を担当した。

式では村瀬会長が「心が弾むような歌がたくさん寄せられ、大変楽しくじっくりと読ませていただきました」と話し、古今和歌集の序文「やまとうたは、ひとの心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける」を紹介。「これからも皆さんの心の中にある種を芽吹かせ、温かい心を育てて、言の葉を豊かにしていただければ」と呼び掛け、入賞者に表彰状と図書カード、チョコレート、会員が五円で作った「ご縁ストラップ」を贈った。

続いて同会副会長で選者の唐津麻さんが「ことしは特に、ご家族を思う歌に感動しました。皆さんの温かい気持ちにふれて、生きる力を頂きました」と話し、みずみずしい感性やユーモアを交えて詠まれた入賞歌を丁寧に講評した。

高校生の部で額田王賞に選ばれた智弁和歌山高校1年生の保呂蒼威さんは「相手への思いを胸に秘める心境を、想像しながら言葉にしました。普段なら口にできないようなことも、短歌でなら素直に表現できる気がします」と話していた。

表彰を受けた皆さん

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