過去最大の167億円 岩出市が20年度予算案

和歌山県岩出市は21日、2020年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比3億2900万円(2・0%)増で18年度の過去最高額を更新する167億7350万円。健全財政の堅持を軸に国土強靭化や下水道整備、観光振興、学力向上などの重点事業に力を入れる。特別会計や公営企業会計を含めた全体の予算額は317億8045万円と全体でも過去最高額。28日開会の市議会に上程する。

記者会見で中芝正幸市長は予算の配分について「市の将来像である『活力あふれるまち ふれあいのまち』の実現、さらなる地域の発展と活性化に向けて、健全財政の堅持を軸として予算編成に取り組んできた」と述べた。

自主財源は前年度比5900万円(0・9%)減の68億8200万円。全体に占める割合は41%となっている。市税は1億5600万円(2・6%)増の60億4900万円。

基金からの繰入金は7700万円(30・6%)減の1億7500万円。依存財源では地方交付税は1億5000万円(4・3%)増の36億円を見込む。市債は9300万円(10・4%)減の8億300万円を発行し、20年度末の市債残高は60億946万円を見込んでいる。

性質別では人件費や扶助費といった義務的経費が5億6300万円(7%)増の86億5100万円。投資的経費は市役所庁舎内の基幹系システムクラウド化事業、JR岩出駅のバリアフリー化負担金などの完了により3億7700万円(23・3%)減の12億4400万円となっている。目的別では民生費が3億7300万円(5・1%)増の76億8700万円、衛生費が2億2500万円(10・5%)増の23億6400万円となっている。

国土強靭化対策(5億8015万円)として、32のため池にかかるハザードマップの更新事業に2800万円、地蔵池防災環境整備事業に930万円、幹線道路舗装長寿命化事業に880万円を投じる。旧・堀口プール跡地と隣接する交通公園を憩いの場所とし、一時避難場所とする「防災公園整備事業」(19年度補正事業)は繰り越し事業として継続。今秋の整備完了を目指す。

下水道整備(8億117万円)では下水道事業会計繰出金および出資金に7億8786万円、公共施設(上岩出小学校)下水道接続に190万円。観光振興(4936万円)では根来を中心とした看板設置やモデルルートの提案、商品開発などのローカルブランディング事業に460万円、根来寺大門桜並木再生補助に413万円、同寺周辺観光促進事業に2842万円となっている。

学力向上(5986万円)では教育情報化推進事業(3389万円)として「小中学校無線LAN環境構築事業」(19年度補正事業)を繰り越し事業として実施。小中学校の204教室(小学校141、中学校63)と小中学校体育館で高速大容量回線に接続できる環境を構築し、普通教室143(小学校101・中学校42)教室に児童生徒用端末の充電を行うための充電保管庫の整備を進める。

岩出市20年度予算案

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新年度の予算案を発表する中芝市長

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