地域の活気支え57年 海南市民会館が閉館へ
和歌山県海南市日方の市民会館・中央公民館が、29日に57年の歴史に幕を下ろす。1963年の開館後、さまざまな芸術・文化発表の場として親しまれ、サークルや教室、成人式や結婚式などが行われてきた。多くの人が集い、地域の活動を支えてきた施設。同館の馬場一博館長(61)は「57年にわたり、市民の皆さんにご愛顧いただいたことに感謝したい」と話している。
市民会館と中央公民館は同市の発足30年の節目に開館。周囲には消防署、警察署などが建設中で、現在の市街地が形成されているところだった。
3階建ての館内には集会所やホール、図書室や調理室、結婚式場などを配置。当時はベビーブーム世代が中学を卒業し、進学や就職する頃で、働きながら生活知識を学ぶ青年学級がよく開かれていた。チャペル併設の結婚式場はまだなかったため、市民会館で挙式するカップルも多く、別室では会費制の披露宴も行われたという。
公民館活動が盛んになると、青年教室からサークル活動へ移行。現在も木彫りや手話、児童合唱団など19のサークル活動が行われている。ホールでは、サークルごとの発表会や展示会を実施。映写室もあり、映画の上映会や成人式も催された。
時代に合わせて公民館の機能は変化し、会議室や不登校の児童生徒が通う適応指導教室も開設した。現在もサークル活動の他、個人の教室や企業の販売会などさまざまな人が利用している。
会議室とホール、隣接する児童図書館の機能は新設する海南nobinos(ノビノス)へ移行。中央公民館の機能は保健福祉センターへ移行し、各地の公民館とともに活動していくという。
馬場館長は「これまで社会教育と生涯学習の場として役立ってくれた。次はノビノスに機能を引き継ぎ、中央公民館は各地の公民館と連携して頑張っていきたい」と話している。
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